第一物語・後半-日来独立編-
第二十四章 変化の始まり《4》
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その存在を証明するように大きく形を変え、変形という変化が続く。
それは西二番外交区域も例外ではなかった。
●
日来の区域が大きく三列、間に別の区域が並ぶように移動しているなか、ここ西二番外交区域社交領は呑気ともいえる空気が流れていた。
この空気のなかで、先導に立っているのは日来覇王会会長のセーランだ。
「これは壮大な変形だな。イメージ映像よりも実際に見た方が迫力伝わるぜ」
「急に故障とかないよな」
「それ言っちゃ駄目、本当に起きたらどうすんの」
「あ、うん……すまない」
空気を読まない発言に飛豊は謝罪する。
今のところは変形には異常は見れない。この区域も変形がなされ、遠くに見える建物が下へ落ちるのも見えた。
正方形の形では停泊所の関係などで不都合なため、長方形へと変わることでその問題を解消する意味もあるのだろう。
なんせ十キロもあるんだからなあ。
変形時の衝撃を重力力場によって身体が支えられているなか、飛豊は視界に見える変形を眺める。
この巨大なもので世界を巡ることになるのだ、上空にこんなものが現れたらさぞかし皆は驚くだろう。
「あの、いきなりですがよろしくて?」
申し訳無さそうに肘を曲げてネフィアが手を挙げた。
セーランに向けられた問いに、本人は軽く返事をして許可した。
「ここまで意外と順調に進んでますが、辰ノ大花へはやはり海側からですの?」
「それも一つの手。それ以外にもあるんだろ」
「当たり前でしょ」
答えたのはレヴァーシンクだ。
暇潰しに読んでいた小説から目を離し、視線を前に向ける。
「それは何ですの?」
「霊憑山を飛び越える」
さらっととんでもないことを言った。
何故か。理由は簡単、霊憑山は山神が集う場所だからだ。
この時代、神の住み場を横断するなど外道中の外道だ。
中二病の考えることは理解出来ませんわね。
恐るべし、と中二病の恐ろしさを知った。
「ですが霊憑山には山神が集う場所。横断したならば天罰を食らうのではないかと」
「アマテラスを盾にすれば解決」
「さ、最悪、この中二病最悪ですわ。神を盾にするなど、神社の巫女として何か言うことがありますわよね!?」
「え? 良い考えだと思いますよ。でも私まだ巫女候補なだけで巫女ではありませんよ」
「この巫女も最悪ですわ……」
神社の娘がこれでいいのかと思う。
この日来にはまともな考えを持つ者が少な過ぎると改めて感じ、今後の行方が不安になる。
だが、霊憑山を横断するのは問題だが考えとしては評価出来る。
「霊憑山を越えれば奥州四圏はすぐそこですが。まあ、仮に無事に霊憑山を越えられたとしましても、まず初めに南の朱雀。朱鳥天が盛大なお出迎えをしてくれるでしょう」
「朱鳥天は黄森と繋がってま
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