暁 〜小説投稿サイト〜
その答えを探すため(リリなの×デビサバ2)
第29話 仲魔、仲間、友達。そして、家族
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
はずなんだけどなぁ。あそこまで堂々と着こなせているのって本当にすごい。
 服が着ていた一着しかなかった(それもマグネタイト? で作ったものって言う事で、実際は体の一部だっていうらしくて……うぅ、よく分からない)リリーさんの為に、以前家でそういったお蔵入りしてたものを集めて試着会したんだけど。服を着て出てくる度にお姉ちゃんたちを「なんであんなにきまってるのよ」って、すごいショックを受けさせたくらいに、すごい。
 そんな中でも純吾君は「おぉ〜」って、出てくるたび呑気にぱちぱち拍手してたけど。

「……ずか、ちょっとすずかっ!」

 そんな、つい余計な事を考えているとアリサちゃんの焦ったような声が聞こえてきました。慌てて横を見るとアリサちゃんが定期を握りしめてこっちを向いています。

「あぁやっと気が付いたっ! 急ぐわよすずか、あの状態はまずいわ!」

 そう言いつつ席を蹴って急いで降り口まで移動するアリサちゃん。それが気になってもう一度窓を覗くと、リリーさんが2人組の軽薄そうな男の人にからまれてるんです! リリーさんの進路を塞ぐようにして、顔を近づけて何か言ってるみたいで、それをリリーさんが鬱陶しそうにかわす。
 って、男の人の片方が肩を乱暴に掴んだ!

「急がないとっ!」

 急がないと、取り返しがつかない事になっちゃう!





「お幸せにねぇ〜」

 あの後すぐにアリサちゃんに追いついて、停留所から走ってリリーさんの所へ行きました。そしたらその場にはリリーさん一人しかいなくて、からんでた男の人達は遠ざかって行ってる最中。 けど様子がかなりおかしい。お互い距離が近くて、顔見るたびに恥ずかしそうにそらして、それでも手はしっかりと繋いでって……

「あのぅ。リリーさん、あの二人に何したんですか?」

 アリサちゃんがおずおずと私も疑問に思った事を聞いてくれました。おずおずしてたのは、呑気な口調で手をひらひらさせてるリリーさんの纏う雰囲気がとっても恐かったから。

「ん? あぁ、アサリンにすずちゃん。こんにちは、こんなとこで会うなんて奇遇ね」

「あっ、はい。こんにちは」

 こっちを振り向いた瞬間、怖い雰囲気がなくなったのにつられてアリサちゃんと一緒に挨拶を返します。「っていやいや! それよりあの二人ですって! 明らかに様子がおかしいじゃないですか」
 けどすぐアリサちゃんがもう一度聞きなおしてくれました。

「あ〜、あいつら?」

 そう言ったリリーさんの目がゴミか、いやそれ以上に何か不潔なものを見る様な、とにかく言葉で言い表せないくらい相手を蔑むような目をして二人の方を向きます。

「あんまりうっとおしいから、ちょっと目を見ながら( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )教えてあげたのよ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ