お見舞い
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し、昼から用事があるんだ」
「そうなんだ……」
そう言うと直葉の暗くなる。そしてしばらく無言の状態が続くが直葉が口を開く。
「ねえ、優さん……あたしも一緒に病院に行っていい?その……アスナさんには挨拶したんだけどまだ優さんのお見舞いに行ってる人に会ったことないから」
「ああ、いいぞ。ユキも喜んでくれるだろうし」
言い終えると同時に和人がシャワーを浴び終えてリビングに入ってくる。すると直葉は皿をキッチンから持っていって和人に笑いながら言った。
「お兄ちゃん、今度ファミレスで宇治金時ラズベリークリームパフェ奢ってよね。さっきのお詫びとして」
「え〜、あれ結構高かったようなきがするんだけど。俺の小遣いが一気に減っちまうよ」
「お前がするのが悪いんだ。自業自得だ」
そう言って優もキッチンから出て朝食を取り始める。
「ねえ、お兄ちゃん、優君。学校のほうはどうなるの?」
生野菜をかじりながら直葉は訊いた。
「俺は福岡の家の方になんか届いたSAOから帰ってきた中高生向けに臨時学校に行くことにしてる」
「あれ?でもお前のおばさん、こっちの借りてた場所返したからどうすんだよ?まだ、居候するのか?そのほうが俺らの家族はありがたいけど」
「いや、お袋達が俺がこっちに通うんだったら部屋を借りてくれるらしいからそっちに住むと思う」
「そうなのか」
そう言って和人は、俺が色々としないといけなくなると呟いていた。そして和人は付け加えるように言った。
「でも、実際、あの学校って普通にいいんだよな。入試ないし、卒業後は大学の受験資格ももらえる」
「へえ、いい話だと思うけど……なんかそれ、十把ひとからげに対応しすぎな感じも……」
「おっ、いい勘してるな」
直葉がそう言うと和人は反応して言った。
「政府の狙いはまさにそこだと思う。なんせ俺たちは、二年間もあの殺伐したデスゲームに明け暮れてたわけだからな。心理面にどういう影響を受けているかお役所は不安なのさ。ついでに言うけどパンフレット自体は存在しない。優はあっち世界での影響が大きかったから政府がお前だけに送ったんだろうよ」
「そうだったのか……あの眼鏡をシバきたくなってきた……」
優は苦笑しながら言った。そして和人が言葉を続ける。
「まあ、それはわかるがやめておけ。で、話しの続きだけど、政府は一箇所にまとめて管理したほうが安心できるんだろ」
「そ、そんな……」
そう言うと直葉はくっしゃっと顔をゆがめたので、和人が慌てて付け加えた。
「でも、管理云々はさて置き、セーフティーネット的な対処をしてくれるから有り難いよ。たとえば、俺が今から普通に高校を受験しようと思ったら、今年一
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