第70話 復活!マジンガーZ
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
となっていた。
風を放っていたのはZの口であった。正しくは顔に取り付けられた縦穴の溝からだ。其処から猛烈な突風が放たれているのだ。それも只の突風じゃない。強力な酸を含んだ突風であった。
だが、その突風も威力が格段に上げられている。その為に分離状態であったキングジョーの殆どが装甲が腐食し、ズタボロにされ、風化して散ってしまった。後に残っていたのは四機の円盤だけだ。
「へっ、ざまあ見やがれ!」
【おのれぇ、再度合体だ!】
残っていた四機の円盤が合体し、一体のロボットとなる。分離状態の小型円盤から再び40メートルの巨大なロボットとなる。その前にジェットスクランダーを装備したマジンガーZが降り立つ。
「さぁ行くぜ! どっちが最強のスーパーロボットか勝負だ」
拳を突き出してキングジョーの前で構えるZ。それに対し今のキングジョーには既に戦意が喪失していた。圧倒的な力の差の前にペダン星人達も勝てない事を理解したようだ。
だが、それでもキングジョーは挑んでいく。此処までやった以上ペダン星人にも意地があるのだ。此処で引き下がれば汚名を着る事になる。それは死に勝る屈辱なのだ。
【行くぞ! もう我々に帰る場所はない! こうなれば玉砕覚悟でせめて奴だけでも倒すんだ!】
「てめぇと心中だけは御免だぜ! これでくたばりやがれ!」
マジンガーZがキングジョーの目の前で両手を天に掲げて仁王立ちする。胸の赤い放熱板が熱を帯びて発光しだす。発光した胸の光が熱線となって放たれた。その熱線はキングジョーの巨体を徐々にドロドロに溶かしていく。脱出する暇などなかった。分離も出来ず操縦していたペダン星人諸ともキングジョーを更に威力が上がったブレストファイヤーで溶かし尽くしていく。
放熱のスイッチを切った。その頃にはキングジョーと言う存在はなくなっていた。目の前にあったのはかつてキングジョーであったであろうドロドロに溶けたゲル状の物体が其処にあった。
もう奴が起き上がる事はないだろう。そして動く事も攻撃してくる事もない。
「ふぅ……」
シートにもたれかかり、甲児は息を吐いた。久しい感覚だ。半年前のミケーネ帝国の襲来以来マジンガーZに乗る事がなかった。その為に久しくこの愛機との再会は甲児に嬉しさを感じさせてくれた。
「甲児君、遂に復活したのね……甲児君とマジンガーZが」
「あぁ、これで俺も戦いに参加出来るぜ」
さやかの目に映るのはかつての強気な甲児だった。やはりそれでこそ甲児だ。何時もの甲児に戻りさやかも嬉しく思う。
「さやかさん、ボス、俺は行くぜ。皆が待ってる気がするんだ」
「分かったわ甲児君。気をつけてね」
「全部片付け終わったら戻って来いよ。そしたらまた皆で馬鹿騒ぎしようぜ」
Zの後ろでダイアナンとボロットが見ている。二人が甲児にエール
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ