第70話 復活!マジンガーZ
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待っている物が居る!』
「俺を待っている? それって、一体……」
何はともあれ行くしかない。行けば答えは分かるのだから。
「甲児君、甲児君は研究所に行って! その間時間は稼ぐから!」
「その変わり戻ってきたらこいつらを全部纏めて叩きのめしてくれよぉ!」
「さやかさん、ボス……待ってろよ! すぐに戻ってあいつらを叩きのめすからな!」
目元に滲んだ涙を強引に拭い去りながら甲児は操縦桿を握り締めて研究所へ急ぐ。それを阻もうとするキングジョー軍団に対しダイアナンAとボスボロットが捨て身の覚悟で挑んでいく。急がねばならない。大切な仲間を見捨てるわけにはいかない。何より、あんな奴等に負けたくないのだ。
研究所内に入るなりTFOを乗り捨て甲児は急いだ。自然と足が向う。それは、かつて自分の愛機が収められていた場所だ。其処へ自然と足が向うのだ。そして、其処にはあった。真紅の色を持つパイルダーが其処に聳え立っていたのだ。
「パイルダー……あのボロボロだったパイルダーが……」
「その通りだ、甲児君。パイルダーだけじゃない。鉄の城は今、君を待っているんだ!」
「弓教授!」
パイルダーと一緒に居たのは弓教授であった。その教授の手には懐かしい赤いパイロットスーツと白いヘルメットが持たれていた。懐かしい。その一言に尽きる。
かつて自分はこれを身に纏って戦っていたんだ。それら一式を受け取る。
「甲児君、今こそ再び、超人兜甲児となってくれ!」
「分かりました。見てて下さい! 俺とマジンガーZの復活する瞬間を!」
そう言い、甲児はパイルダーに飛び乗る。エンジンを点火させ、パイルダーに命を灯させる。パイルダーの全身が震えだし、エンジンが震えていくのが分かる。パイルダーは生きている。生き返ったんだ。
「振るえだけで分かる。こいつは以前のそれよりも数段パワーが上がってやがる。これでドッキングしたら一体どうなっちまうんだ? 今から待ち遠しいぜ!」
操縦桿を握り締める甲児の鼓動が高鳴っていくのが分かる。早くマジンガーと合体したい。早くまた超人になりたい。その思いが甲児の鼓動を早めているのだ。天井の扉が開き、青空が照らし出される。其処へ一気にパイルダーは浮上する。見えるのはキングジョー軍団に苦戦を強いられているダイアナンとボロットであった。二体とも既に傷だらけになっている。もう余り長くはもちそうにない。
「さやかさん、ボス、待ってろよ! 今助けに行くからなぁ!」
パイルダーは移動する。黒い魔神の待つ場所へ。それは水の溜まった用水路であった。此処も何の変わっていない。昔のままだ。
「マジーンGO!」
甲児が叫ぶ。それに呼応し、用水路が真っ二つに開かれる。水が流れて行き、其処から黒い巨人が姿を現した。あれだ、あれこそ俺のもう一つの体。俺の相棒。俺の愛
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