第69話 騎士の涙、少女の叫び
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「ロムさん、シグナムを殺さないでや! シグナムは、操られてるだけなんや!」
「分かっている。俺が時間を稼ぐから、その間に彼女を支配している呪縛を振り払ってくれ!」
「呪縛を振り払う……そうか!」
光太郎は気づく。秋月信彦ことシャドームーンが守護騎士達に放った光は紛れも無くキングストーンの輝きだ。ならば、同じキングストーンを持つ光太郎こと仮面ライダーBLACKRXならばその呪縛を相殺出来るかも知れない。だが、確証はない。最早これは賭けであった。
「コロス! シネ! シネエエエエエエエ!」
「騎士の心を弄ぶとは、断じて許せん!」
シグナムとロムの激しいぶつかり合いが展開された。それは激しい剣戟であった。
シグナムのレヴァンティンとロム・ストールの剣狼が激しい火花を散らしていく。
剣の腕はほぼ互角。されどシグナムの放つ剣は荒々しき獣の如き勢いであるのに対し、ロムの剣はシグナムの剣を柔らかく包み込み無理なく返していく。まるでシグナムの剛の力に抗う事なく身を任せ同化する柔の動きであった。
「ウガアアアアアアアアアア!」
遂に業を煮やしたのかシグナムがレヴァンティンにカードリッジを装填する。その形状が突如として変わり普通の剣であったそれが蛇剣状の姿へと変わる。別形態シュランゲフォルムである。
変幻自在の動きがロムを惑わしていく。
「扱いの難しい蛇剣を此処まで操るとは……流石烈火の将! ならば、俺も奥義で迎え撃つ!」
咄嗟にロムが飛翔した。太陽を背にし剣狼を両手に持ち替えて頭上に構える。そのまま一気にシグナム目掛けて降下してきた。
「天空真剣! 稲妻ぁぁぁ!」
それはロムの得意技である稲妻二段切りであった。勿論それを只で食らう筈がない。
一段目は蛇剣の前に防がれる。そのまま一気にシグナムの後ろまで飛び降り、再び二段目を構えた。
だが、その二段目もまたシュランゲフォルムから通常形態へと戻ったレヴァンティンにより防がれてしまう。
ガキンと鈍い音がし二段目も不発に終わってしまった。
「そんな、あれを防ぐなんて!」
フェイトは驚かされた。正しく稲妻の如き速さでニ連続に斬りつける奥義。それをシグナムは正気を失っている状態でとは言え防いだのだ。
正しく誰もが万策尽きたかと思われていた。それこそがロムの狙いであった。
「まだまだあああああああああああ!」
雄叫びを挙げた。ロムの目はまだ死んでいない。諦めていない。その手に持った剣狼を更に強く握り締めて振付ける。
トドメは横薙ぎに振るった後の態勢から切り上げる逆袈裟切りであった。
完全に油断していたシグナムはそれを防ぎきれずまともに食らってしまう。
が、ロムが狙っていたのはシグナムではなく、彼女が持
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