第69話 騎士の涙、少女の叫び
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一瞬の隙こそが命取りとなるのだ。
「あうっ!」
フェイトの両手に激しい痺れが感じられた。両手には持っていたであろうバルディッシュがない。先ほどのシグナムの一撃を防いだ為に弾き飛ばされてしまったのだ。一瞬にして丸腰にされてしまったフェイト。
武器がなくては騎士に太刀打ち出来ない。そんなフェイトに向い容赦のないシグナムの斬撃が振り下ろされる。
チッ!
頬をその一撃が掠めた。縦一文字に薄く切られた其処から赤い雫が垂れる。もう少しかわすのが遅かったら顔半分が剥ぎ取られていた筈だと思うとゾッとなる。
一旦シグナムから距離を置き態勢を立て直さなければならない。それにバルディッシュも見つけねば勝負にならないのだ。
「あっ!」
突如、フェイトの体に無数の細い管状の物が絡みついてきた。いつの間にかフェイトの周囲には砂虫状の怪物がひしめき合っていたのだ。
やられた! フェイトはそう思った。
先の一撃は此処へ誘い込む為の一撃だったのだ。それにフェイトはまんまと乗せられてしまったのである。
何とか逃れねばならない。だが、その管はとても人間の、ましてや若干9歳の幼い少女の力では到底引き剥がす事など出来ない。寧ろ暴れれば暴れる程更に管の締め付けが増してくる。体への拘束が強さを増していく度に呼吸が困難となっていき体中の骨が軋む音がする。
周囲の砂虫達が鋭い牙を剥き出して来た。恐らく動けないと見たフェイトを食らおうと言うのだろう。全くその通りだ。今のフェイトにその一撃をかわす事など出来ない。
どうしようもない。そう思った時、心の中でふと諦めの感情が芽生えた。
それはフェイトが目を閉じる際の仕草で分かれた。そんなフェイトへ砂虫の牙が容赦なく迫る。
「リボルケイィィン!」
突如、その場に居ない男の声が響いた。その直後、体を拘束していた感覚が消え、代わりに誰かに抱き抱えられている感覚を感じた。
目を開き、それを見ると、其処には黒いボディに赤い目をした者が居た。その姿はフェイトにとって余りにも御馴染みの姿でもあった。
「か、仮面ライダー?」
「君にそう言われるのはこれで二度目だね」
二度目? 一体何の事だろうか?
疑問に感じたフェイトをそっと降ろし、その者はシグナムの前に立った。その手に光り輝く剣を手にしながら。
「まさか本当に生きていたのだな。ブラックサン!」
「シグナムさん。俺はもうブラックサンじゃない! 太陽の子、仮面ライダーBLACK RXだ!」
「どの道貴様は死すべき存在。貴様を殺し、キングストーンを我が主の下へ送り届けるまで!」
レヴァンティンの切っ先をRXへと向ける。その視線には明らかなまでの殺気が篭っていた。それを受けるようにRXも両手で輝る剣リボルケインを
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