第69話 騎士の涙、少女の叫び
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とにかく、これを用いれば外国へ行く事も容易い。
「それではやてちゃん、その反応があったのは何処なんだい?」
「先代世紀王さんが言うには砂漠って言ってました。そんで古の都がある砂漠だって」
それを聞いたなのはの目が大きく見開かれた。砂漠があり古の都があるとすれば、それは恐らくバラージの都に他ならない。かつてノアの神を祭っていた古き都。その都に今度は守護騎士の一人が居る。何処か運命的な物を感じられる物であった。
「とにかく急ごう。フルスピードで行くからシートベルトをしっかりね!」
「は、はい!」
光太郎のそれを聞いてなのはは急いでベルトを締めた。そしてその場でしっかりと身構えたのだ。どうやら過去のトラウマがそうさせたのだろう。勿論それは兜甲児の荒い運転に他ならないのだが。
***
一面に見えるのは広大な砂漠と青い空、そしてギラついた太陽だけが見える世界であった。一種の砂漠地帯である。昼時の気温は正しく日本の夏の気温よりも上昇し、素肌を晒していては焼けどを負う程の過酷な場所であった。
そんな場所で、今二人の魔導師がぶつかりあっていた。嫌、正確に言えば一人の魔導師と一人の騎士がぶつかりあっていたのだ。その内の一人である金髪の魔導師は苦しい戦いを強いられていた。それは、相手が騎士だけではないからだ。
突如地面を突き破り現れたのは砂虫を思わせる巨大な怪物であった。その怪物は騎士になど目をくれず魔導師を狙って来る。
嫌、寧ろ騎士がその怪物を操っているようにも見える。それは即ち魔導師が数的に不利に立たされている事を示していた。
「どうした? 以前の時の様な技の冴えが見えんぞ?」
騎士が不気味な笑みを浮かべながら行って来る。それに対し魔導師は苦悶の表情を浮かべた。明らかに騎士が以前とは違うのだ。以前はこちらが奇襲をしたとは言え相手に対し命を奪わない配慮をしていたようにも見えた。だが、今は違う。明らかにこちらを殺そうとしてきているのだ。
その上、今度は逆にこちらが奇襲をされる形となってしまった。
(皆と逸れてしまった時に……こんな所で倒れる訳には、いかない!)
自身の中にそう念を押し、魔導師フェイト・テスタロッサはバルディッシュを振るった。
横薙ぎに振るうその一撃が空を切り風音を鳴らす。それを騎士、烈火の将シグナムは苦もなくレヴァンティンで受け止めた。
そのまま流すように動かしフェイトの一撃を空振りへと誘う。
「剣に迷いがあるな。そんな剣捌きで私を倒せると思うなよ!」
あの一撃でフェイトの心情まで見透かしてしまったようだ。流石は騎士、侮れない相手だ。その思いが一瞬ではあるがフェイトに隙を与えてしまった。だが、達人同士の戦いではその
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