第69話 騎士の涙、少女の叫び
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だ。
「あれを操縦している時のセブンの顔は今でも思い出す。あれは正しく鬼の顔だ! 悪魔の顔だ!」
「大袈裟だよ兄さん。ウルトラ戦士が鬼になる訳ないじゃないか」
ジンが必死に説得していながらもゲンは未だに柱にへばりついたまま全然動こうとしないのだ。余程恐ろしい目にあったのだろう。これではテコでも動かないだろう。このまま居ては時間の浪費になってしまう。既に今この場でさえ30分近くの浪費になっているのだから。
「しょうがない。僕達の事は良いですから先に行ってて下さい」
「分かった。先に行ってるよ」
仕方なくジンとゲンを置いて行く事となった。光太郎を操縦席に乗りなのはとはやては後部座席に乗り込む。
「にしても凄い車やねぇ光太郎兄ちゃん」
「うん、これを設計した本郷って人も凄いけどそれをくみ上げたあの立花さんも凄いよ! この車”ライドロン”をさ」
それは今から約1時間近く前になる。その時は何気なく喫茶店アミーゴで何時もの様にコーヒーを楽しんでいた時であった。突如として八神はやての夜天の書が微弱ながらも反応を示したのだ。
これは一体どうした事か?
驚いた一同がはやてと、そして夜天の書に集まる。それは持ち主であるはやても始めての事であった。一体何がどうしたと言うのか?
「はやてちゃん、分かる?」
「それがさっぱりや。一体どうなっとるんやろうか?」
書物を手にはやてが首を傾げている。夜天の書の詳細は未だに謎が多いのだ。故にこんな状況をどうしたら良いのかさえ分からない。
【主……聞こえますか?】
「その声は、先代世紀王さん」
書物から声が聞こえてきた。無論、その声ははやてにしか聞こえない。そして、その先代世紀王がはやてに語りかけてきたのだ。
【主、私が作り上げた騎士の反応がありました。別の場所でですが騎士の一人が戦闘を行っております】
「騎士? それってもしかして」
【はい、守護騎士達です。そして、今その内の一人が単独で行動をしています。今なら……】
はやては行動を急いだ。皆にその旨を伝え今すぐ単独で行動している騎士の元へ行く事が決定された。だが、其処で一つの難点が浮上した。それは、異なる場所へ行く手段がないと言う事だ。
幾ら魔導師の力で空を飛べるからと言って移動だけで魔力を使うのはかなり厳しい。その上航空手段も無いに等しいのだ。
そんな時、立花籐兵衛が持ってきたのがライドロンであったのだ。
このライドロンはかつてショッカーと戦った本郷猛が事前に設計し、それを立花籐兵衛の手で組み上げられた万能車両なのだ。
簡単な自我を持ち陸と海を自在に移動出来るスーパーカーである。
が、外見が車なのでゲンが怖がって乗りたがらないと言う致命的欠点もあるにはあるのだが。
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