第69話 騎士の涙、少女の叫び
[11/11]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
っていた得物であった。
天高く飛ぶのはシグナムの得物であるレヴァンティンであった。
そう、これこそロム・ストールが持つ天空真剣奥義なのだ。
「奥義、稲妻三段切り!」
「グッ、ウゥゥゥ!」
「今だ! 彼女の呪縛を解けぇ!」
叫びロムが飛び退く、それと同時に前に現れたのはRXであった。
「シグナムさん、今助けるぞ! キングストーンフラァァァァッシュ!」
RXの腰ベルトから燃えるような赤い閃光がシグナムを包み込んでいく。その光を浴びたシグナムの体からドス黒い邪悪なオーラが滲み出てきた。そのオーラは体から排出されるとRXのキングストーンフラッシュを浴び瞬く間に消滅してしまった。
そしてそのままガクリとその場に膝を下ろしてしまうシグナム。一連の事が終わった直後、彼女のすぐ脇にレヴァンティンが舞い降りてきた。
「シグナム? シグナム!」
動きを見せないシグナムに向かいはやてが駆け寄り必死に声を掛ける。これでもしシグナムの呪縛が解けていなかったらそれまでだ。だが、はやては願った。
光太郎やロム・ストールが命を掛けて彼女を救おうとしたのだ。その思いを無駄にしたくない。だから願う。はやては強く願った。
シグナムが元に戻る事を。かつての優しき烈火の将であり家族であった頃のシグナムに戻る事を。
「あ、主……」
「シグナム!」
はやての目から止め処なく涙が流れた。戻った! シグナムが今戻ってきたのだ。
シャドームーンの呪縛から解き放たれあの頃の優しき守護騎士へと戻ったのだ。はやてはそんなシグナムを強く抱き締めた。回りに誰が居ようと関係なくはやては声を挙げて泣いた。
子供らしくわんわん声を挙げて泣いた。その泣き声を聞いたシグナムもまた、涙を流した。
帰って来た。帰ってこれた。その実感がシグナムの心を支配していたのだ。
そして、それはまた、大いなる希望となるのであった。
そう、守護騎士達を取り戻せる方法はあると言う事を―――
つづく
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ