第69話 騎士の涙、少女の叫び
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
? はやてちゃん」
「不安やない……って言ったら、嘘んなるね。それに、凄く怖いんよ。私……」
はやてとて人の子なのだ。そして、幼いはやての前に聳え立ったのは巨大な敵である。その敵を相手に自分達は余りにも小さく力がない。たった数匹のアリが象に勝てる筈がないのだ。そして、人類は怪獣から見ればアリに他ならない。
「光太郎兄ちゃんは、怖ぅないの?」
「勿論怖いさ。俺だってあんな巨大な敵と戦ったのは初めてだったからね。でも大丈夫さ。今の俺達には心強い味方が出来たじゃないか」
「あぁ、あのウルトラマンやね!」
宇宙人と共に現れた銀と赤の巨人、ウルトラマン。彼等のお陰で強大な宇宙人を倒してくれた。しかし、そのウルトラマンにも致命的な弱点がある。
それは胸のカラータイマーが示してくれた。そう、ウルトラマンには活動できる制限時間が設けられているのだ。そして、その時間は僅か3分間しかない。
そのたった3分間の間に宇宙人や怪獣を倒せなかった場合今度は自分達でそれに挑まねばならないのだ。そうなった場合は相等の覚悟が必要となる。
「だから、俺達も出来る限りウルトラマンに協力しよう。俺達の出来る限りを尽くすんだ」
「うん、そやね。その為にも、今は居なくなってもうたシグナム達を早く見つけたいんやけどなぁ〜」
そうだ、八神はやてにとって家族同然でもあった騎士達。ヴォルケンリッター。だが、その騎士達の心は今次期創世王シャドームーンによって操られている。今騎士達はシャドームーンの忠実な僕と化してしまっている。
何としても助け出さねばならない。守護騎士達は大事な家族なのだ。
***
その光景は初めて見る光景であった。全ての町が破壊され、瓦礫の山すら残らず、不毛の荒野と化し全てが紅蓮の炎に包まれた光景だ。その回りには既に消し炭とされた生命が転がっている。命の輝きなどない。あるのは只、死だけが支配した世界だった。
その世界で何故か、その子は泣いていた。たった一人だけ残った子が泣いていたのだ。
何故だろうか。こんな風景初めて見る筈なのに、何処か懐かしい。嫌、そう言った優しい響きではない。
思い出したくない。ずっと思い出さないようにしてきたと言った方が正しい。
【また、滅んじゃった……滅んで欲しくなかったのに……】
天空を見上げながらその子は泣いていた。その天空には本来その星を照らしていた太陽ともう一つ、それよりも遥かに巨大な太陽があった。その巨大な太陽がその星を生命の住めない死の星にしてしまったのだ。その巨大な太陽がその子は恨めしく見ていた。
【何で? 何でこんな事するの!? あの時私は泣いたけど……でも、私はこの星を、命を愛している! なのに、何で貴方はそれを奪うの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ