第68話 獅子の魂
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だ。
まるで格闘技、それも武術を思わせる。その激しい打ち合いが展開されていた。
【ぐっ! お、おのれぇ……】
レオが苦悶の表情を浮かべる。アストラが徐々にだが押し始めているのだ。対してレオは片手になのはを掴んでいる為実質上片手でそれを相手する必要がある。
それがレオを苦戦に陥れる結果となっているのだ。
【僕はもう迷わない。兄さんが間違った道を進むと言うのなら……】
レオの胴体に正拳突きを決めたアストラが叫ぶ。吹き飛ばされたレオが腹部を抑えながらアストラを睨んだ。
【僕は兄さんを倒す!】
【ふっ、それはどうかな?】
【負け惜しみをぉ!】
叫び、アストラがレオに飛びかかろうとする。だが、その時レオは手をアストラの前に突き出して来た。
【うっ!】
その直後、アストラはあるで硬直したみたいに動かなくなってしまった。そうだ、レオが突き出した手。その中にはなのはが掴まれているのだ。もしこのまま殴りかかればレオと共に彼女も殺しかねない。それはアストラの出来ない事でもあった。
【形勢逆転だな。どうするアストラ? 俺を殺そうとすればその前に俺がこの娘を殺す】
【兄さん、あんたは其処まで性根が腐ってしまったのか?】
アストラがレオを睨む。だが、それに対しレオはせせら笑っていた。まるでその言葉すら褒め言葉と受け取れるかの様に。
【腐った? 確かに俺は腐ってるかもなぁ? だが、そのお陰でこうして充実した戦いが出来る。もう誰かを守るとか言う下らない事をする事もないのだからなぁ】
【兄さん……嫌! 僕はもうお前を兄さんとは思わない!】
【だったらどうする? この娘ごと俺を殺すか? 出来る筈がない。お前はそう言う人間だ。そして、お前はこの俺に成す術も無く倒されるのさ!】
言葉の直後、レオがアストラを蹴り飛ばす。思い切り吹き飛ばされて地面に倒れこむアストラ。起き上がろうとするアストラの胸部にレオの足が叩きつけられた。
【ぐはっ!】
【脆いな。所詮人を守ろうなどと考えるから俺達ウルトラマンは馬鹿な目を見る。だが俺は違う! こうして自由に生きる。そしてその為にもこうして俺はこの星の人間を殲滅し、この星を新たな故郷とするのだ!】
【ぐっ……】
アストラがレオの足を退けて立ち上がろうとする。だが、そんなアストラの前に再びなのはの掴んだ手を見せる。少しでも抵抗すれば握り潰すつもりで見せたのだ。
【どうした? 抵抗しないのか? 出来るならしてみろ。最も、その瞬間俺はこいつを握り潰すがなぁ】
【に、兄さん……貴方と言う人は……】
【ハハハッ、何とでも言うが良い。お前は俺の手で殺されるんだよ! そら死ね! 死んじまえ!】
更に激しくアストラを踏みつけてくる。苦痛の表情が
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