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スーパーヒーロー戦記
第68話 獅子の魂
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懐かしい感触と暖かみであった。バトルホッパーも蘇った。あの時、シャドームーンの手により完全に破壊され残骸と化したバトルホッパーが、今光太郎の目の前にアクロバッターとして生まれ変わり現れたのだ。

「なぁ光太郎兄ちゃん。その喋るバイクって何?」
【始めまして、もう一人の世紀王様。私の名はアクロバッターと申します。以降お見知りおきを】
「へぇ、偉い礼儀正しいバイクやねぇ。私は八神はやて。こっちは友達の高町なのはちゃんや。宜しゅうな」
【はい、宜しくお願いします】

 互いに自己紹介を終える一同。それが済んだら即座に移動を開始しなければならない。
 一刻も早く現場に向わねばならないのだ。真相を確かめる為にも。




     ***




 K市工業地帯では正しく炎が渦巻く光景が映っていた。そして、その中には一人の赤い巨人が暴れまわっている光景があったのだ。

「酷い……まるで地獄絵図だ」

 現場にたどり着いた光太郎がそう言う。目の前に居るのは40メートルもある巨人だ。その巨人が工業地帯を我が物顔で破壊し続けているのだ。
 回りには逃げ惑う人達が見える。
 その人達に対し巨人が瓦礫を投げつけてきた。

「危ない! 変身!」

 即座にRXへと変身し、瓦礫を蹴り砕く。その後も巨人は人達に対し瓦礫を投げつけてきた。それらを悉くRXが破壊していく。

「止めろ! 何故こんな事をするんだ?」
【何故だと? 貴様等みたいな下等な人間を俺達ウルトラマンが何時までも守ってやると思ったか? 貴様等はこの俺が滅ぼしてやる!】
「そうはさせるか! 例え相手がウルトラマンだとしても俺は戦う!」

 RXは目の前にいるウルトラマンに対し挑む構えを見せた。例え敵わない相手だとしてもこれ以上あのウルトラマンの暴挙を許す事は出来ないのだ。

「光太郎兄ちゃん、私も一緒に戦うわ!」
「気をつけるんだはやてちゃん。ウルトラマンの力は未知数だ。正面から挑めば俺達なんて一溜まりもない」
「そ、そないにやばいんか? ウルトラマンって」

 はやては初めてウルトラマンを見た。確かに巨大だ。そして強力であった。しかも光太郎は知っていたのだ。ウルトラマンがこの程度の力でない事を。
 だが、それを一番良く知っているのはなのはだ。彼女は最もウルトラマンと長く接してきた為にウルトラマンの強さを一番良く知っているのだ。

「二人共気をつけて下さい。あのウルトラマンは私達を倒す事に一切躊躇いなんてありませんよ」
「分かってる。なのはちゃんは下がっててくれ。俺とはやてちゃんで奴を食い止める!」

 デバイスを失い、魔力もないなのはではウルトラマンに対峙する事は出来ない。RXとはやては二人で勝ち目の無い戦いを挑んだ。


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