第68話 獅子の魂
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で軽そうな感じの声ではない。その声には純粋なメフィラスの怒りが篭っていたのだ。
そのメフィラスの姿が瞬く間にババルウ星人やウルトラマンと同じ大きさへと変わっていく。その体からは怒りを思わせるオーラが漂っているのが見えた。
【ヒッ!】
【覚悟は良いかね? 最も、出来ていないとしたらご愁傷様としか言い様がないがね】
メフィラスの両の手が堅く握られる。それをババルウ目掛けて突き翳す。
【待てメフィラス!】
【むっ!】
その時、ウルトラマンレオがメフィラスの肩を掴んだ。それに気づいたメフィラスは振り返りレオとアストラを見た。
【何かね?】
【奴の相手は俺達にさせてくれ! 奴は俺達ウルトラマンの誇りを汚した。俺達の手で決着を付けたいんだ】
【……】
双方は互いに黙り込んだ。レオの真剣な眼差しがメフィラスを睨む。
と、メフィラスは翳していた手を下げた。見れば握り締めた拳もそれを解いている。
【分かった、君達に任せるとしよう。私もこんな感情を抱いて戦うのは不本意であったのでねぇ】
【有難う。メフィラス】
ババルウに背を向けるメフィラスに変わり、レオとアストラが並び立つ。
【フハッ、フハハハハハッ! 馬鹿な奴等だ。さっさと俺を殺せば良かった物を! お前等はもうお仕舞いだ!】
【負け惜しみを!】
【負け惜しみじゃねぇ! お前等が茶番をしている間に、俺が増援を呼んでおいたんだよ。もうすぐ幾千幾万の円盤軍団がこの地を破壊し尽すんだ! 最後に勝つのはこのババルウ様さあああああ!】
諸手を挙げて叫ぶババルウ星人。それに対し身構えるレオとアストラであった。
……辺りは未だに静寂が支配している。皆それぞれ待ってみた。
だが、一向に円盤らしき物が来る気配がない。
【な、何故だ? 何故来ないんだ!】
【円盤部隊? それならば私の配置していた部隊が既に片付けておいたよ。謎の円盤だったので敵だと思っての事だったらしいのでねぇ。どうやらあれは君の円盤であったか、これは失礼】
そう言いながら肩を震わせて笑うメフィラスが居た。どうやらババルウが呼んで置いた増援部隊はメフィラスが事前に配置していた円盤部隊が全て片付けてしまったようだ。それを知ったババルウは青ざめた顔をした。
【どうやらこれで本当に手詰まりのようだな】
【レオ兄さん、あれで倒そう!】
【よし、行くぞ!】
レオとアストラが動きを見せた。アストラが方膝を付きその後ろでレオが両腕を前に突き出す。それを掴む様に下からアストラの両手が合さる。その重なり合った手から真っ赤な光線が放たれた。
【受けてみろ! 僕達兄弟の絆を!】
【そして、これが俺達最強の技!】
【【ダブル・フラッシャアアアアアアアアアアア!】】
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