第66話 太陽の子、その名はRX
[2/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
処まで運んでくれたようだ。
「ほんまにあんがとなぁ。あんたが居らんかったら私等今頃風邪ひいとったわ」
「良い。おいらもあんたらじゃなかったらほっといてた。あんたからは懐かしいあの人の匂いがしたから助けたんだ〜」
「あの人?」
何だろう? ふと、はやては自分の肌の匂いを嗅いでみた。特に変わりはない。多少塩臭いのを覗けば特に汗臭いなどは感じられない。
「な、なぁ、それって誰なんや?」
「先代世紀王様だ〜。おいら、先代世紀王様が好きだっただ〜」
その言葉にはやては気づいた。そうか、今私の中には先代世紀王が居る。その匂いをこの怪人は嗅ぎ付けたのだ。
「先代世紀王様はとっても優しいお方だっただ〜。おいら達怪人一人一人にもとても親切にしてくれただ〜」
「そないに先代世紀王さんは優しい人やったんやね」
「んだ。おいらも先代世紀王様に創世王になって欲しかっただ〜」
遠い目を見ながらクジラ怪人はそう言った。ゴルゴム内では怪人は基本使い捨てと言われており上級幹部達。即ち三神官達からも駒の様に扱われるのが極当たり前であった。
だが、そんな中で先代世紀王だけは違っており、怪人達にとても優しかったと言う。その優しさをこのクジラ怪人は覚えていたのだ。
「それよか、なのはちゃんはどないなんや? 結構時間経つのに全然目ぇ覚まさへんねやけど?」
「多分目は覚まさないだ〜」
「な!」
それは以外な言葉であった。恐らく、今はやてが最も聞きたくない言葉だ。
「なんでや? 何でなん?」
「此処まであんたを連れてきたのはその子だ〜。あんたはずっと気を失ってた上に魔力が無くなってて危険な状態だっただ〜。だから、その白い子が自分の持ってた魔力を全部あんたにあげたんだ〜」
「そ、それって……」
なのはははやてが気を失っている間中ずっと彼女を守っていたのだ。深海からはやてを抱えて此処まで泳ぎ、更に魔力の低下により弱っていた彼女の為に自分自身の残っていた僅かなリンカーコアを全てはやてに与えたのだ。リンカーコアと言えば生命エネルギーとも言える存在。それを全て抜き取ると言う事は死を意味する。
なのはは命がけではやてを助けた事になる。
はやては涙ぐみ、そっとなのはを抱き締めた。傷つき、ボロボロになりながらも他人の為に必死になった。その結果がこれだ。折角親友になれたのにその親友が自分の為に命を投げ出した。その事実がとても悲しかったのだ。
「その子、あんたの大事な人だったんか〜」
「私の親友やったんや……出会いは偶然やったんやけど、私にとってとっても大事な親友やったんや」
はやてにとってなのはは唯一の親友であった。足が不自由で家族も居らず、通院生活をしていても苦痛であった。そんな時偶然知り合ったのがなのはで
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ