第65話 第二次日本攻略作戦(後編)
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リンディの激が飛ぶ。本来ならすぐに助けに行きたい。だが、彼女の上に乗っている瓦礫はとても彼女一人では持ち上げられる重さじゃない。それに、此処で二人揃って死ねばそれこそ彼女は無駄死にになる。悔しいがどうする事も出来ないのだ。
「すみません……すみません、艦長!」
「良いのよ……さぁ、行きなさい」
「は、はい!」
涙を強引に拭い、エイミィは最後に転送装置で転送した。その直後、装置は破壊された。とうとうブリッジにまでシルバーブルーメの管が進出してきた。入り込んで来た管がブリッジを我が物顔で暴れ回り破壊していく。恐らく獲物を手探りで探しているのだ。
(これも管理局に勤めたお陰かしらね……まさか、貴方と同じように艦の中で死ぬなんてね……)
艦内に一人残されたリンディは微かな笑みを浮かべつつそっと目を瞑る。暗闇の中現れたのは大切な息子と愛しいあの人。
(御免なさいクロノ……私まであっちに行ってしまうことを、許してね……クライド……今、貴方の元へ……行くわ)
***
オーロラのような海の広がる次元空間の中、円盤生物シルバーブルーメの襲撃を受け、時空管理局の所有する時空航行船アースラが、今……時空の海の中閃光となって散った。
白熱の閃光を放ち、その残骸を微塵も残さない程にそれは粉々に散り、後に残ったのは何もなかったと言う。
人類は今、一つの節目を迎えようとしている。それは、敗北、滅亡、そして死であった。
巨大な悪の前にか弱き正義の炎は掻き消されようとしている。人々の胸に宿るは絶望、そして恐怖であった。
だが、忘れないで欲しい。例え僅かでも正義の火がある限り、悪に抗う若き火は再び炎となる事を。
だから、これを見ている貴方達も決して諦めないで欲しい。心の敗北こそが、本当の敗北なのだから。
つづく
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