第65話 第二次日本攻略作戦(後編)
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した事はないと見捨てる方針であったのだ。
その為、管理局の協力を得ずにリンディたち独断でアースラを発進させたのだ。そのツケがこれである。
戦力不足からなる圧倒的敗北。しかし余りにも凄まじい速さであった。今まで互いに牽制しあっていた敵勢力が突如手を組み攻撃を仕掛けてきたのだ。
これも恐らくはいたずらに戦力を分断し、あまつさえ守護騎士達の逮捕を出来ず時間を浪費した結果であったのだろう。
「例え私達だけになろうとも、あの星だけは守り通します! 直ちにアースラを地球へ……」
言葉の途中であった。激しい振動がアースラを襲う。何事かと想った刹那。正面モニターに映ったのは巨大な長い管状の物体であった。それが何本も現れ、アースラを雁字搦めに絡めとっている。
「艦長! 艦上部に巨大な怪獣が!」
「なんですって!?」
映像が映し出された。それはアースラ上部に取り付き幾本もある長い管を伸ばしてアースラを絡めとっている円盤生物シルバーブルーメであった。
やがて、長い管はアースラ全体を覆いつくして行く。艦橋は捻じ曲げられ、甲板は歪まされ、内部に管が入り込んでいく。
「艦内に謎の液体が侵入! 溶解液です! 艦内で被害多数!」
「これ以上の航行は出来ません! このままでは……」
万策尽きたとはこの事であった。これ以上この艦内に居てはアースラと運命を共にする事となる。まだ若い彼等を巻き添えには出来ない。無論、自分も此処で死ぬ訳にはいかないのだ。
「総員直ちに退艦! 悔しいけど、アースラを捨てます!」
「艦長!」
「早く脱出しなさい! これ以上此処に居ても無駄に死ぬだけよ!」
リンディの顔からは悔しさが滲み出ていた。艦長にとって自分の艦を失うことは屈辱にも等しい。だが、その悔しさをバネにしていかねばならないのだ。
急ぎ艦内に残っていた局員達がブリッジにある転送装置で次々と転送されていく。その間にもシルバーブルーメが徐々に艦内に管を伸ばしていく。
既にブリッジ以外では溶解液で満たされている。此処ブリッジも何時それが入ってくるか分からない状況であったのだ。
「これで全員ね」
「はい、後は私と艦長だけです!」
既にほぼ全員の転送が終わり、今艦内に残っていたのはエイミィとリンディの二人であった。
「急ぎましょう。これ以上は此処も長くは……」
突如、二人の頭上から瓦礫が降って来た。咄嗟にリンディは側に居たエイミィを転送装置に突き飛ばす。その直後、自分の向かい瓦礫が落下する。
「艦長!」
エイミィの眼の前には瓦礫により下半身が挟まれたリンディが倒れている。これでは転送装置まで行く事は出来ない。
「行きなさい! 私の事は良いから!」
「ですが、艦長!」
「早く!」
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