第63話 卑劣なる罠!V3死の弱点
[10/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
く致命的な弱点でもあった。逆ダブルタイフーンの威力は先ほどの岩盤を砕く程の威力だと立証された。だが、その反面膨大なエネルギーを使用してしまい風見の変身が一定時間出来なくなってしまうのだ。こんな時に怪人の待ち伏せがあれば最悪だ。
外で絶叫が響いた、それに不安を感じ風見とフェイトは外へと踊り出る。最悪だった。外に待っていたのは先ほど倒した筈のガマボイラーと戦闘員達だ。それもさきほど以上に数が多い。今度は五十人で攻めて来たようだ。
「待っていたぞ風見志郎! 逃げ出した奴等共々始末してくれる!」
ガマボイラーの目がギラリと輝く。狂気に満ちた輝きだ。彼としてはこの時を待っていたのだろう。そして、風見志郎にとってはそれは最悪の場面であった。今の風見は変身も出来なければ戦闘能力もない。加えてフェイトは未だガスが抜け切っていないのか風見の腕の中でかなり弱っている。とても戦える状態ではない。
「お前等は逃げろ! 此処は俺一人で何とかする」
「そんな、無茶ですよ風見さん!」
フェイトの言う通り正しく無茶だった。今の風見にこれだけの相手が出来る筈がない。だが、此処で二人揃って倒れるよりはマシなのだ。
「お前も行けフェイト。お前がこいつらを守ってやるんだ!」
「でも、風見さんはどうするんですか? そんな体じゃ戦えないじゃないですか!」
フェイトの言う通りである。今の風見には戦闘員と戦う事さえ困難な状態なのだ。その上これだけの人数に加えて怪人も居る状態なのだ。とても勝ち目などない。それは火を見るより明らかであった。
「グフフ、逃がすと思ったか? その小娘も逃げた奴等も全員皆殺しだ! 俺様の溶解液で骨も残さず溶かしてやるよぉ」
ガマガエルの様な下卑た笑い声が響く。その笑い声が今の風見にはとても悔しく聞こえてきた。何も出来ないのだ。このまま何も出来ず皆殺されてしまうのか。家族の仇も討てず、先輩達の無念も晴らせないまま終わると言うのか?
何処からともなくギターの音色が聞こえてきた。聞いた事のない音色だ。とても儚げで、悲しげにも聞こえて来る曲だ。そんな音色が近くから響いてきたのだ。
「な、何だ? この耳触りな音は? 誰が弾いてやがる!」
ガマボイラーや戦闘員達も躍起になって探し始める。だが、それらしき姿は何処にも見当たらない。一体何処で弾いているのだろうか。
「あ、あんな所に人が!」
そんな時、逃げ出した人の中の一人がそれを見つけた。それは霧だった崖の上であった。その上で一人の青年が白いギターを持ち先ほどの曲を弾いていたのだ。
「おい、その耳触りな曲を止めろ! 折角の良い気分がぶち壊しじゃねぇか!」
「やれやれ、人が折角気持ちよく弾いてたってのに、風流が分からない奴はこれだから困るぜ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ