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スーパーヒーロー戦記
第63話 卑劣なる罠!V3死の弱点
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じゃ全員で行くぞ!」

 号令の合図とばかりに皆に言い放つ。それに応えるかの様に皆が大声で返事をした。




     ***




 道は険しく、視界は悪い。獣道とは正にこの事を言うのだろう。そんな道の中を二人は走っていた。一人は中年の男性でありその手を掴み少年も必死に走っている。

「待て、我等デストロンから逃げられると思っているのか?」

 背後から声がした。恐らく追っ手だ。振り返らないでも分かる。足音だけでも恐らく十人以上がこちらに向って走ってきている。
 しかもその中で一人だけ歪な足音があった。恐らく怪人であろう。
 戦闘員だけでも相手に出来ないのにその上怪人が相手では最早逃げ切れるのも奇跡としか言いようがない。このまま二人捕まればそれこそ本末転倒だ。

「逃げろ! 君だけでも遠くへ逃げるんだ!」

 覚悟を決めた男性は少年を押し逃がす。少年は男性を振り向き悲しそうな目をした。そんな少年に男性が怒号を上げた。此処であの子を捕まらせる訳にはいかない。何としても逃がさなければならないのだ。
 そんな時、男性の肩を何者かが掴んだ。振り返った時其処に居たのは身の毛もよだつ程の異形であった。
 
「逃げられると思ったのか? このガマボイラー様を煩わせた罰だ。貴様はこの場で死ねぃ!」

 そう言い、怪人ガマボイラーの口からドロリとした液体が垂れ流された。その液体を体全体に男性は浴びてしまった。悲鳴など挙げる暇すらなかった。
 みるみる内に男性の体は溶けてドロドロになってしまい、最後には骨だけとなりその場に崩れ落ちてしまった。

「グハハッ、一丁上がりだ。それ! さっさとあのガキをとっ捕まえろ!」

 怪人ガマボイラーの命を受け、戦闘員達が少年に迫る。必死に少年も逃げるが戦闘員は殆どが成人男性、それも選りすぐりの肉体を持つ者が殆どだ。子供の足で逃げ切れる筈がない。
 戦闘員達の邪悪に満ちた腕が少年を捕えようと迫ってきた。
 その刹那だった。突如響いたバイクの音と共に上空に照らされていた太陽が突如隠れたのだ。
 不審に思い頭上を見上げた時、其処に居たのは一台のバイクであった。
 バイクが日の光をバックに戦闘員達の真っ只中に転がりこんで来たのだ。
 その突然の乱入に戦闘員達は対処する事など出来ず良い様に吹き飛ばされてしまった。
 木の葉を舞い散らすかの様に吹き飛ぶ戦闘員を見て、怪人ガマボイラーの憤りは更に増した。

「ボイラァァァァァ! 貴様何者だ! 我等デストロンに逆らうとはそんなに死にたいのか?」
「ふん、死ぬのはお前等だ」

 一言そう言い返し風見志郎はバイクから降りた。それと同時に背後から仲間達がやってくる。少年は間一髪であった。だが、男性は手遅れとなっていた。


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