第63話 卑劣なる罠!V3死の弱点
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この世界を守る為にもあんたの力が必要なんだ!」
風見が言う。確かに今彼の力が借りれるのはとても大きい。だが、そんな風見の要求に対し早川は指を鳴らす。
「折角の誘いだが、今は受けられねぇな。お前さんらは今戦う相手を見誤っている。そんな奴等とは一緒に戦えないね」
「私達が、相手を見誤ってるんですか?」
「その通りだ可愛いお嬢ちゃん。何と戦い、誰と共に戦うのか。それをよぉく考えるんだな。その答えが分かった時、そん時ぁ肩を並べて戦わせて貰うぜ」
その言葉を残し、早川は去って行った。去り際にあの時の曲を弾きながら。
二人は早川が去り際に言い残した言葉を胸の内で深く考えていた。何と戦い、誰と共に戦うのか。それの指し示す意味とは一体何なのか。その意味の答えに辿り着くのは、もう少し先になるだろう。何故なら、この後二人の身に起こる事が余りにも壮絶な事だったからだ。
「な、何だ?」
突如、激しい振動が襲い掛かった。振動は後ろからだった。振り返ると、其処には巨大なミサイルが飛び立つ姿が映し出されていたのだ。
大きさからしてかなりの質量だ。
『聞こえるか? 風見』
「その声は、結城、結城なのか?」
『あぁ、俺は今ミサイルの中に居る』
「何だと!」
風見は自らの耳を疑った。だが、事実であった。聞こえてきた言葉は一語一言間違えず覚えている。そう、ライダーマンは今あの巨大ミサイルの中に居るのだ。
『これはデストロンが首都攻撃用に開発していたプルトンロケットだ。これを首都に打ち込み首都の機能を麻痺させる計画だったようだ』
「そんな事をしたら大勢の人が……」
フェイトの脳裏には大勢の人々がロケットの影響により死んで行く地獄絵図が映し出された。それこそ正しくこの世の終わりを連想させる光景でもあった。
「止めろ結城! 死ぬぞ」
『良いさ。俺一人の命で数万人の命が救われるのなら、それも本望だ。それにな、俺は俺の夢を叶える為とは言えデストロンに加担していた。そのせいで大勢の人の命を奪ってしまったんだ。今度は、この俺の手で大勢の人の命を守りたいんだ。分かってくれ、風見』
結城の決意は固かった。彼は人知れずデストロンに協力し、悪の手伝いをしていた事を悔いていたのだ。そして、その罪滅ぼしの為にと命がけのミサイル首都激突阻止を行ったのだ。
「結城さん、すぐに助けに行きます! 待ってて下さい」
『無駄だフェイト。クロノもユーノも例のガスを吸っちまって満足に動けない状態になっちまった。俺自身ももう意識が朦朧としちまってるんだ。このロケットを安全な場所まで持っていくだけで精一杯な程にな』
「ライダーマン! お前の覚悟、そして犠牲は無駄にはしない! お前こそが……お前こそが仮面ライダー4号だ!」
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