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スーパーヒーロー戦記
第63話 卑劣なる罠!V3死の弱点
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 まるで美学も糞もない馬鹿野郎だなお前は。
 とでも言うかの様に肩を上げ、その青年はガマボイラー達と風見達の丁度真ん中に降り立つ。その衣服は一言で言うなら黒であった。
 黒のジャケットにズボン、黒の帽子と全身黒一色なのに対し、手袋とギターは白でありマフラーは赤であった。
 そんな青年が一同の前に突如現れたのだ。

「やい貴様! この俺様の前に現れたと言うことは余程死にたいようだな?」
「ふん、天下のデストロン怪人ガマボイラーさんかい? 流石の俺も不細工じゃ二本で二番目だな」
「なにぃ! それじゃ日本一は誰だ?」
「当然、お前だろ? 不細工顔の日本一」
「な、なんだとおぉぉぉぉぉぉぉ!」

 青年の皮肉に怒り沸騰する。無理もないだろう。誰だって顔を責められたら怒らずにはいられないのだから。

「おいおい、折角人が珍しく褒めてやってるんだから少しは喜んだらどうだ?」
「ふざけるな! 貴様も纏めて骨にしてやる!」

 怪人と戦闘員達の狙いがその青年に向けられる。戦闘員達が周りを取り囲み青年の逃げ道を塞ごうとしだす。

「おい、早く此処から逃げろ! お前の手に負える相手じゃない!」
「そうです、早く逃げてください! でないと貴方まで……」

 風見とフェイトがそう言うが、其処で青年は突如指を鳴らしだす。

「安心しな。こんな程度の輩、俺一人で充分だぜ」
「随分な自信だな。冥土の土産に貴様の名前を言ってみろ! このガマボイラー様に喧嘩を売った度胸のある奴として覚えておいてやる!」
「悪党に名乗るほどの名前はもっちゃいねぇんだが、名乗れと言われちゃ名乗る他ねぇな」

 そう言い、さっきまで顔半分を隠していた帽子の唾を二本の指でそっと持ち上げてクルリとその場で一回転する。皆に自分の顔を見て貰う為だ。そして、その顔を見た途端、その場に居た殆どの者が仰天した。

「か、風見志郎が二人だとおおおおおおおおおおおおおおお!」
「お、俺ぇぇぇ!」
「か、風見さんにそっくり!」

 それには風見もフェイトも驚いていた。そして、その驚きの際にフェイトはふと思い出したのだ。
 それは、かつて風見志郎を始めてアースラに招き入れた際にクロノが風見の事を別の名で呼んだ事だ。確か、その名前は―――

「も、もしかして……貴方は、早川健さんですか?」
「ほぉう、こんな綺麗なお嬢ちゃんに覚えて貰ってるとは、男として鼻が高いねぇ。以下にも、俺は早川健。さすらいの私立探偵さ」

 正しくその通りであった。これはクロノが風見を間違える訳である。何しろ同一人物と思えるほどそっくりだったのだから。

「あんたが、早川健か」
「ほぉう、良く見たら結構なイケメンじゃねぇのあんた。流石は俺のそっくりさんだ」
「でも、性格は全然
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