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スーパーヒーロー戦記
第62話 決めろ!必殺キック
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バキン!
 音がした。見れば怪獣の頭部に生えていた二本の立派な角がなくなっていたのだ。ウルトラマンのキックによりへし折られたのだ。これにより怪獣の周囲を覆っていたバリアが消え去る。

【今だ! 二人共協力してくれ!】
「任せろ!」
「これでトドメだ!」

 バリアを張れなくなった怪獣目掛けてウルトラマンのスペシウム光線が。グレートマジンガーのブレストバーンが。ゲッタードラゴンのゲッタービームが一斉に怪獣目掛けて放射される。それらを一斉に浴びた怪獣は断末魔の悲鳴をあげ地面に倒れこみ、遂には爆発して散った。間一髪の勝利であった。
 あと少し倒すのが遅ければきっと危うかった筈だ。

【有難う。鉄也君、ゲッターチーム】

 隣に佇むグレートとゲッタードラゴンに向かいウルトラマンが礼を言った。今回の勝利はウルトラマンだけではなし得なかった勝利だ。ウルトラマンと人類。その双方が互いに力を合わせる事により、どんな強大な敵にも対抗出来るのだ。
 その事実を一同は心底理解しえる事となった。

「礼なんざ良いさ。俺達はこの星を守る為に集まった仲間なんだからな」
「ふっ、お前さんの口からそんな事が出るたぁ以外だぜ」

 戦闘が終わるや否やまた何時も通りな感じの些細な会話が始まった。こんな些細な会話が出来るのも世界が平和な為だからだ。世界が侵略者の手に落ちれば平和な会話など出来る筈がないのだから。

「さぁ、帰ろう」
「そうだな。怪獣も葬った事だし、俺達が此処に居る理由もない」

 戦闘を終え、一同はアースラへと帰還する事となった。だが、彼等は気づかなかった。終始その戦いを遠くから観察する邪悪な存在に。そして、その邪悪な存在こそが、後に彼等を窮地へと叩き落とす事を。
 今はまだ、知りえなかったのである。。




     つづく
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