第61話 帰って来たウルトラマン
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「あ、貴方は?」
「僕の事は良い! それよりも、何故君は戦おうとしないんだ!」
青年はフェイトに対し厳しい言葉を掛けた。青年は気づいたのだ。フェイトの心の内に眠る自分自身との葛藤と強くなりすぎた力への苦しみに。
「でも、私が行ったとしても……皆の足手まといにしか――」
「何故そうも決め付ける! まだ君は挑んでもいないのだろう? ならば何故そう決め付けるんだ!」
尚も青年はフェイトに言う。その言葉が全てフェイトの胸に深く突き刺さった。そうだ、自分の友達だってその恐怖と必死に戦い続けていた筈だ。
なのに何故自分だけそれから逃げようとしているのだ。
何故立ち向かわない。何故戦おうとしない。
「君は怪獣達と戦える力を持っている。だが、その力を君は恐れているんだ!」
「でも、私はその力を使いこなせないんです。今のままじゃ……」
「君自身が力を信じなければ力は応えない。大事なのはその力を恐れない心だ!」
「心……」
自身の胸を叩き青年は言う。フェイトは自分の胸に手を当てる。大事なのは心。青年が言っているのはそう言う事なのだ。
「そして、もう一つ……君に言っておく」
「もう一つ。それは一体何ですか?」
「ウルトラマンは……決してこの星を見捨てない」
そう告げると。青年は手を天高く振り上げる。すると青年を眩い閃光が包み込んでいく。やがて閃光は大空へと舞い上がり、その光の中から銀と赤の二つの色を纏った巨人が姿を表した。
その姿は、かつて地球の為に戦い続けた光の巨人その物の姿をしていたのだ。
「ウ、ウルトラマン!」
「あれが、ウルトラマンなのか?」
初めてウルトラマンを見た者達がその勇姿を見る。怪獣の目の前に雄雄しく立つその姿は正しく光の巨人その者であった。
赤と銀の二色のボディカラーに胸に青く輝くカラータイマー。
間違いなく、彼はウルトラマンだ。ウルトラマンは今、再びこの地球に帰ってきたのだ。
「何だ? あの巨人は」
「ウルトラマン! 帰ってきたんだな!」
竜馬がウルトラマンを見て歓喜の声を挙げる。彼は知っていたのだ。地球を守る為に戦い続けた光の巨人を。
そして、今その帰ってきた光の巨人が怪獣に戦いを挑む。傷ついたグレートやゲッターでは太刀打ち出来ない凶悪な怪獣に対し、ウルトラマンは果敢に戦いを挑んだ。
帰ってきたウルトラマンの強さは怪獣と同等であった。
【私はこの星を守る為に戦う! その為に私はこの星に来た! これがその力だ!】
怪獣を前に、ウルトラマンは腕を十字にクロスして構える。既にお決まりの構えであった。
十字に構えたその腕から空色に輝く光線が放たれた。
「スペシウム光線!」
誰もが知っていた。ウルトラマ
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