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スーパーヒーロー戦記
第61話 帰って来たウルトラマン
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 守護騎士達との戦いはなのはの身を挺した妨害により守護騎士達を取り逃がす結果となってしまった。既に守護騎士達の反応は消えてしまい追跡は不可能となってしまった。その為アースラ隊のメンバーは一度アースラへと帰還する事を余儀なくされていた。
 メンバーの気持ちはとても複雑な物であった。かつて、共に戦ったであろう仲間が今や犯罪者達の片棒を担ぐ事となっていたのだから。今度の戦いは以前の戦いよりも過酷な物となるのは確実な物でもあった。




     ***




「そうなの、それは大変な事になったわねぇ」
「はい、かつてジュエルシード事件に関わった何名かがあの守護騎士達と行動を共にしていたんです」

 アースラに戻るなり、クロノは先の戦闘での経緯を説明した。そして、その中にかつて共に戦った仲間である甲児と、そしてなのはの姿を確認したのだ。

「甲児君となのはちゃん……あの二人が居ないのはこちらにとっては大きな痛手になるわね」

 リンディが呟くのも無理はない。このアースラ隊の団結力を高めたのは甲児となのはの二人に他ならないのだ。その二人が今は此処には居らず敵として一同の前に立ち塞がった。
 皆の心境は複雑な物であったのは確実だ。

「訳が分かりませんよ。なのはも甲児さんも、かつては共に戦った仲間なのに……何であんな犯罪者達に加担する様な真似をするんだ! 一体二人は何を考えているんだ?」
「クロノ、少し落ち着きなさい」

 今のクロノには落ち着きが欠けていた。無理もないだろう。
 最愛の恩師をその守護騎士達に殺されてしまったのだ。今の彼に落ち着けと言う事自体無理がある。

「すみません、艦長……取り乱してしまって」
「貴方が取り乱すなんて珍しいわね。まぁ、理解出来ない訳ではないわ」

 リンディも分かっていたのだ。大切な人の死。それは彼女もかつて経験していた事だ。
 そう、まだクロノが物心つく前にその悲劇は起こったのだ。

「それよりも今は……これから先の事について考えないとね」
「と、言いますと?」
「もし、また私達の前に二人が現れた時……どうするつもり?」

 リンディの問いにクロノは黙り込んだ。顔を俯かせ、暫しの間口を閉じて黙っていた。だが、すぐに顔を上げリンディを見上げて口を開いた。

「話をつけます。そして、彼等の決意が固いようなら。多少遺憾ではありますが、拘束するつもりです」
「分かったわ。その旨を皆に伝えて頂戴ね」
「了解しました」

 リンディとクロノ。母と子の重苦しい会話はそれで打ち切られた。
 これ以上話していても逆に気が滅入ってしまうだけだからだ。今は気持ちを切り替えなければならない。でなければ、次に倒されるのは自分達なのだから。




    
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