第60話 影の月
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べだすビルゲニア。
「何をするつもりだ! ビルゲニア」
「知れた事。そいつらにも騎士の誇りがあると言うのなら、それをズタズタに引き裂いてやるまでの事よ! 守護騎士達よ!」
ビルゲニアが声を張り上げて命令する。その命令は、恐らく四人が絶対にして欲しくない命令でもあった。
「其処に居る小娘を殺せ! 最も残虐な方法でなぁ!」
「なっ!」
その命令を聞いた時、ライダーブラックは驚愕した。奴の狙いはシグナム達の騎士の誇りを打ち砕く事だったのだ。そしてその最善の方法として、高町なのは抹殺を命令したのだ。
「ぐっ、ぐぅぅ……」
「ち、ちびっ子……早く、逃げろ!」
なのはの前にビルゲニアの命を受けた守護騎士達が迫る。四人の意思とは無関係に体が勝手に動き出しているのだ。
「皆、止めて! 正気に戻って!」
「無駄だ小娘。この俺様の命令にそいつらは逆らえない! 大人しく殺されるが良い!」
「止めろビルゲニア! 今すぐその命令をとめろ!」
四人の騎士を救う為、ライダーブラックはビルゲニアに向い拳を放つ。だが、その一撃もビルゲニアの一閃の前に空しく返されてしまった。
ブラックの体に鋭い切り傷が出来上がる。
「ぐぁっ!」
「フハハハッ、ブラックサン! 貴様を殺すのはこの俺だ! 貴様はこの俺に切り刻まれながらゆっくりと仲間同士の殺し合いを見物しろ!」
***
なのはの前にはビルゲニアの命により操られたヴォルケンリッター達が襲い掛かってきた。現状のなのはにとってその戦いはまず厳しい物であった。
未だ完全に力が戻らない状態の上四対一である。まずなのはに勝ち目はなかった。
「ぐ、ぬあぁぁぁ!」
悲観の叫びをあげながらヴィータがアイゼンを振り下ろしてきた。それをレイジングハートを使い防ぐなのは。
「逃げろ、チビ! 頼むから、逃げてくれぇ!」
「い、嫌だ……みんなを置いて、逃げられないよ!」
必死に逃げる事を頼むヴィータだが、なのははそれを一蹴した。逃げられない。彼女達を置いて自分だけ逃げるなんて出来ないのだ。
だが、そんななのはに向かい更に無情の攻撃は続いた。今度はシグナムの斬撃が襲い掛かる。
防ごうとしたが間に合わない。右肩に痛みが走った。
掠ったのだ。それでも皮が切れ血しぶきが舞い上がる。
「づっ!」
斬られた箇所を押さえる。其処へ間髪居れずにザフィーラの重い拳が放たれる。
その拳はなのはの腹部に命中し、彼女の体をくの字に曲げる。
「あぐっ!」
苦痛の声を挙げるなのは。其処へトドメとばかりに飛翔したヴィータのアイゼンが襲い掛かってきた。既にカードリッジをロードした後なのか、その大きさは通
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