第60話 影の月
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動きがピタリと止まってしまったのだ。
「な、どうしたんだ? 皆!」
「か、体が……動かない……」
「まさか、何故貴様が……それを」
「フフフッ、流石はサタンサーベルだ。これがある限り貴様等守護騎士は俺に指一本触れる事は出来ない」
手にしていたその剣を嘗め回すように見ながらビルゲニアは言った。
どう言うことだ? あの剣と守護騎士達に一体何の関係があると言うのだろうか?
「どう言う事だ? シグナムさん達とその剣に一体何の関係があると言うんだ?」
「知らないのか? ならば教えてやろう。貴様が仲間と言って共に戦ってきた其処に居るヴォルケンリッターの騎士達。そいつらを作ったのは我等ゴルゴムなのだ!」
「何!?」
「そもそも、そいつらの使命は次期創世王候補である世紀王、そして創世王を守護する目的で作られた只の使い捨ての駒よ」
蔑むように笑いながらビルゲニアが目の前で動かない騎士達を見た。
その言葉に四人は悔しそうに顔をゆがめる。
「嘘だ! 彼女達は皆はやてちゃんを守る為に今まで戦ってきたんだ! そんな嘘を信じるものか!」
「ならば証拠を見せてやろう。まず其処のチビ!」
サタンサーベルの切っ先をヴィータに向ける。
「三遍回って【ワン】と言え!」
「だ、誰がそんな事……」
言葉を途中で切り、突如ヴィータはその場で三回回りだす。そして――
「わ、ワン!」
「なっ!」
「そ、そんな……」
目の前では信じられない光景があった。あのヴィータがビルゲニアの言う通りの事を行ったのだ。
「ハッハッハァ! 見たかブラックサン! これが何よりの証拠よ! これで貴様に味方は居なくなった! これで心置きなく貴様のキングスストーンを頂ける訳よ」
「許さない、許さないぞビルゲニア! 彼女達の騎士の誇りを弄んだ貴様だけは、絶対に許さない!」
動けない騎士達に代わり、仮面ライダーBLACKが構える。だが、ビルゲニアは未だに不適に笑ったままであった。
「騎士の心だと? まがい物の命しか持たないこいつらに心などある筈がない。そいつらは所詮この俺が創世王になる為の従順な奴隷に過ぎないのだからなぁ!」
下卑た笑いを浮かべるビルゲニアを前に、シグナム達は何も言えず、動く事も出来ず佇むだけであった。
逆らえないのだ。サタンサーベルを持つビルゲニアに、彼等は攻撃を加えることが出来ないのだ。
それがたまらなく悔しかった。騎士の心を、誇りをズタズタに切り裂かれた感覚が四人を襲った。
「そんな事ない! ヴィータちゃんも、シグナムさん達も、皆立派な騎士ですよ!」
「ち、ちびっ子……」
「ふん、何時ぞやの小娘か。貴様も居たのならば面白い趣向が出来るな」
更に不気味な笑みを浮か
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