第60話 影の月
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話した。
「間違いありません。そんな事が出来るのはゴルゴムです!」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ。なんでそのゴルゴムがはやてちゃんを誘拐するんですか?」
「まさか……信彦を目覚めさせるつもりか!」
かつて、光太郎と共に世紀王として改造された秋月信彦。だが、彼は光太郎が逃亡する際に事故の影響で未だ目覚めない状況でもあった。
そして、その信彦を目覚めさせる生贄としてはやてが選ばれた。そうとしか考えられなかった。
「冗談じゃない! 我等が主を世紀王の生贄になどさせるか!」
「皆で探しましょう! 急がないと手遅れになる」
一同は戦いの疲れを背負いながらも捜索に乗り出すこととなった。急がなければ手遅れになってしまう。
時間はそれ程残されていないのだ。
***
その頃、ゴルゴム内の祭壇上に二つの透明な球体が浮かんでいた。その中にはそれぞれ中に人が入っていた。
一つにはゴルゴムが誘拐した八神はやてが。そして、もう一つの中にはバッタの姿をした怪人が眠っていた。
「これで良い。秋月信彦の義妹であるこの娘の魂を用いれば必ずやシャドームーンは目覚める。そうなればビルゲニアなど最早用済みだ」
「そうとなれば早く済ませてしまおう。奴に感づかれると色々と厄介だ」
二つの球体の下に居たのはゴルゴム三神官であった。彼等がはやてを誘拐した張本人でもあった。
守護騎士達の張った魔力結界も彼等ならば容易く破る事が出来る。そして、今その幼い命を生贄にし、未だ目覚めぬもう一人の世紀王シャドームーンを目覚めさせようとしていたのだ。
だが、その儀式を覗く者が居た。それは言わずと知れた剣聖ビルゲニアであった。
「冗談じゃない。シャドームーンが目覚めたら、俺は用済みとなる! それでは、俺は一体何の為に目覚めたというんだ! 奴等の好きにさせる物か! だが、今の俺ではブラックサンとあの忌々しい騎士共には勝てない。どうすれば……」
ビルゲニアが毒づく。このままでは自分はお払い箱となってしまう。それは嫌だ! 何としても創世王になる為にはシャドームーンが目覚めるのを阻止しなければならない。だが、その為にはもう一つの世紀王であるブラックサンこと仮面ライダーBLACKを葬らねばならない。
しかし、それにはあの四人の騎士が邪魔なのだ。
以前突如現れた四人の守護騎士達の為に大敗を喫したビルゲニア。何としても雪辱を晴らしたい。
そう思っていた時、突如ビルゲニアの脳に直接語り掛ける声が聞こえた。嫌、それ自体そもそも声と呼べるか甚だ疑問でもあった。
だが、聞こえたのだ。自分を呼ぶ声が。
「この声は……創世王様!」
その声に導かれるかの様にビルゲニアは玉座へとやってきた。
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