第60話 影の月
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トに良く似た杖と闇の書を手にはやては雄雄しく立っていた。
「ぐっ、何だ、今の光は?」
凄まじいまでの閃光にビルゲニアは目を覆っていた。やがて、その閃光が止むと、目の前には両足で大地に立つはやてが居た。
だが、その姿は今までのそれとは全く違い、なのはやヴォルケンリッター達と同じ騎士甲冑に身を包んでいたのだ。
「はやてちゃん、その姿は?」
「この中に居る先代の世紀王さんが私に力を貸してくれたんや。だから、これからは私も一緒に戦えるよ、光太郎兄ちゃん」
ニッコリと笑うはやて。そして、今度はビルゲニアを睨んだ。
「まさか、有り得ない! この世に三人の世紀王が生まれるなぞ!」
「こら其処の白顔! よぅも私の大事な家族を苛めたなぁ! 今の私はめっちゃ機嫌悪いでぇ!」
「ほざけ! なり損ないの世紀王如きに何が出来る! 貴様をその場で切り殺してそのキングストーンを頂いてくれるわ!」
怒号を張り上げてビルゲニアがサタンサーベルを振り下ろす。だが、その一撃をはやては易々と受け止めてしまった。受け止められた場所から全く微動だにしない。
「な、何ぃ!」
「言った筈やよ。今の私はめっちゃ機嫌が悪いって!」
その瞬間、ビルゲニアは吹き飛ばされた。はやてが放った魔力砲が彼を吹き飛ばしたのだ。凄まじい力であった。
その力を前に、ビルゲニアはどうする事も出来なかったのであった。
「ぐ、ぐぅぅ……えぇい! 守護騎士達よ、何している! さっさとあいつを殺せ! 八つ裂きにしろぉ!」
「そうはさせへん!」
ビルゲニアが命じようとするよりも先にはやてがキングストーンが変化した杖を掲げる。
「八神はやてが汝等ヴォルケンリッター達に命じる。なのはちゃんを守るんや! そないな奴の命令なんて聞いたらあかん!」
「な、何ぃ!」
「承知しました!」
ビルゲニアの命を無視し、シグナムが倒れていたビルゲニアに向かいらヴァンティンの鞘で殴りつけた。
其処は丁度彼の顔面であった。その一撃にはシグナムの、嫌、守護騎士達の怒りが込められていたのは言う間でもない。
「お、おのれぇぇぇ!」
「最早我等は貴様の命には従わん! 命が惜しければ早々に引き上げる事だ!」
「黙れ! 俺は次期創世王になる男だ! 貴様等如きに遅れは取らん! それに、俺の手にはまだサタンサーベルが――」
ビルゲニアがそう言いサタンサーベルを振り上げようとした時、突如その剣はビルゲニアの元を離れた。
「な、何だ?」
ビルゲニアの元を離れたサタンサーベルは一直線にある方向へと向かって行った。
其処に居たのは一人の人間であった。
全身を銀色のヨロイで身を固めたその人間の下に、サタンサーベルは向かって行ったの
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