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ヘタリア大帝国
TURN60 義兄と義妹その十
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「そうそう、イタリアちゃん達だけれど」
「あっ、イタちゃんとロマーノちゃんね」
 マリーも母の言葉でふと思い出した。
「そういえばいるわね」
「ナポリ星系もローマ星系も占領したけれど」
「あの子達はどうするの?」
「イタリンですか」
 セーラも言われて気付いた感じだった。
「そういえばそうですね。対応は」
「どうでもいいんじゃねえのか?」
 イギリスもここで彼等のことを思い出した。
「まあベニスさんはアルプスの別荘に軟禁で処罰みたいなことにしてるけれどな」
「そこにイタリアさん達も入っています」
 イギリス妹も言う。
「ですが特に」
「ああ、何もしてないからな」
「とりあえずこのままでいいのでは」
「俺もそう思うけれどな」
「ではそれでいいと思います」
 セーラもイギリス兄妹のその言葉に頷く。
「特に」
「そうだな。それじゃあな」
「イタリアさん達はそれで」
「正直。ベニス統領もあの人達も特に」
 セーラはまた言う。
「困ったこともないですし悪意も野心も感じられないので」
「それでいいな」
「そういうことで」
「イタリン自体にも特に処罰はしないということにしましょう」
 セーラはこうも言った。
「ドクツは別ですが」
「うん、僕もそれでいいと思うよ」
「私もね」
 マリーもエルザもイタリンには優しい。
「イタちゃん達愛嬌あるしね」
「悪い子達じゃないからね」
「そもそも何故戦争をしたのでしょうか」
 セーラはこのこと自体も疑問に思うのだった。
「イタリンは」
「どうしてだろうね」
 マリーもこのことは実は今まで考えたこともなかった。
「北アフリカに来たけれど」
「はっきりと申し上げまして彼等は弱いです」
 イギリス妹は己の経験から話す。
「簡単に勝てます」
「そういえば前のドクツのこっちへの侵攻の時な」
 イギリスもその時のことを思い出して妹に話す。
「モンゴメリー提督が北アフリカをあっさりと奪還したよな」
「そしてナポリ侵攻に移ろうとさえしておられました」
「本当にあっさりだったな」
「とにかくイタリンは弱いです」
「戦うより逃げるんだったな」
「ちょっと攻撃を加えれば総崩れになり」
 これはポルコ族もイタリア自身もだ。
「我先に逃げ出しますので」
「だよな。捕虜にしてもな」
「むしろ進んで捕虜になってくれます」
 これがイタリン軍である。
「そして少し怖い顔をすると」
「ぴーぴー泣いてな」
「可哀想になって手加減をしてしまいます」
「そうそう、俺もなんだよ」 
 それはイギリスもだった。
「ドクツの捕虜は反抗的で厳しくなるんだがな」
「イタリンの捕虜はどうしても」
「厳しくできないんだよな」
「収容所も特に警護をしなくても逃げ
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