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ソードアート・オンライン 《黒の剣士と白の死神》
第一部 全ての始まり
第五話 迷宮区に乗り込む (前編)
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「おまえ…なんでだ?」

俺は問いかける。

「…………」

彼女は何も答えずにレイピアを構える。

やるしかない、か。

「ホントは、こんなことしたくないんだけどな…」

その瞬間、彼女はレイピアを振りかぶり、俺は片手剣で下段から叩き込んだ。



俺の片手剣は虫型モンスターを切る。

彼女のレイピアは、俺の頭に真っ直ぐに刺さる!





…ではなく、その後ろにいた、虫型に命中していた。

俺は後ろに振り返ると、

「……趣味悪いね、アンタ。」

「…あなたの驚いた顔。笑ったらかわいいのにね。団長がそろそろ戻れって。」

「そうだな。あんたの後ろにいるやつを片付けたら。」

アスナの後ろには、さっきの虫型モンスターがもう一体いる。

距離をとるアスナに、

「これで貸し借りは無しだ。」

俺はすばやくソードスキルを叩き込む。

ポリゴンが砕ける硬質な音。

俺は後ろを向いてそのまま出口に向かい、恐らく赤く顔を染めているであろう彼女に手を振った。



……もちろん、後で団長に絞られたのは言うまでも無い。

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