第3試合
【第3試合】 VS幼女超人キン肉マンデヴィリンス(1)
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無しってやつ」
ミーノはキン肉マンルージュの言葉を聞いて、はじめて気がついた。
よくよく見て見れば、キン肉マンルージュは小刻みに震えていて、歯がかたかたと微かに鳴っている。
背水の陣。それは強大な敵と戦う恐怖を打ち消すための、キン肉マンルージュなりの覚悟であった。
「はわわぁッ! 大和魂ってやつですね! サムライなのですね! やっぱりさすがなのですぅ、ルージュ様ぁ!」
ミーノは目をきらきらさせながら、羨望の眼差しでキン肉マンルージュを見つめる。
そんなミーノを尻目にキン肉マンルージュはぼそりと呟いた。
「本当はいかにも萌えキャラですっていうセリフを、恥ずかしげも無く思いっきり言ってみたかったんだよね」
「?? ……何かおっしゃいましたかですぅ?」
「ううん! 何にもおっしゃってないよ! 全然なーんにも言ってないッスルですよ!」
キン肉マンルージュはしどろもどろになりながら、後ろめたい顔をして控室に向かった。
そして控室――
「マッスル! キャ〜ンセレェェェイショ〜ン!」
キン肉マンルージュはつま先立ちになってくるくると回りながら、そっと目を閉じた。そして両手でマッスルジュエルを包みながら、自分の胸元に向かって言った。
マリとミーノは慣れてしまったのか、いちいちポーズをとるキン肉マンルージュを、さもあたり前のように見つめている。
「うわぁッ! こ、これ、大丈夫かなぁ」
変身を解除したキン肉マンルージュこと凛香は、マッスルジュエルを見つめながら戸惑っている。
凛香の手に乗っているマッスルジュエルはびきびきにひびが入っていて、今にも割れてしまいそうである。
「あれだけの大激闘を、しかも2戦分だもん……こうなっちゃうよね……」
キン肉マンルージュが受けたダメージの全てを受け止めたマッスルジュエルは、大小多数のひびと傷が入ってぼろぼろになっている。
ミーノはマッスルジュエルを見つめながら、腕組みをして考え込む。
「……うーんですぅ……もうひと試合であれば、ぎりぎりなんとか……大丈夫だと思うのですが……試合が明日でなければ、キン肉スグル大王様に力の再注入をしていただくのですが……うーん、厳しい気もしますが……無理かなあ……んーと、たぶん大丈夫なのですぅ……」
ぶつぶつと自信なさそうに呟いているミーノを見て、凛香は違うことに気がついた。
「そういえば、なんで試合を明日にしたんだろうね。キン肉マンデヴィリンスが現れたとき、また連続で試合しないといけないのかなって思っちゃって、気が気じゃなかったよ」
「デヴィリンスが試合を明日にした理由ですぅ? ……多分、これじゃないでしょうかですぅ」
ミーノは壁にかかっているテレビを指さ
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