旧校舎のディアボロス編
儚い夢・・・みたいな?
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翌日。
僕は昨日と同じように同じ部屋で目が覚めた。そしてリビングに降りて朝食を食べ、そして通学路を歩いていた。
「なあ、二人とも」
イッセーと共に。
「・・・どう、したの・・・イッセー?いいこと、あった・・・?」
「凄く顔がにやけてるよ、気持ち悪い。その表情をアヤカに向けないでくれる?」
「シズク、お前はアヤカの父親かなにかか?まあいいや。そう、昨日いいことがあったんだよ!」
・・・僕がアヤカの父親か。それはそれで良かったのかもね・・・。
「で、昨日何があったの?」
「ふっふっふ、聞いて驚け!ついに昨日、俺に彼女が出来たんだよッ!」
衝撃の事実!
「そんな夢を見たの?」
でもなかった。
「違ぇよ!夢じゃなくて現実!・・・って、いつの間にかシズクのキャラが毒舌現実主義者になってないか?初日はもっと優しげな・・・そう、木場みたいな奴だったろ?」
「その木場っていう人が誰か知らないけど、僕はもともとこういうやつだよ。アヤカはいつもコレだけど」
そう言って僕の隣をちょこちょこ歩くアヤカを見る。
その視線に気づいていないアヤカは、歩幅の違う風太りになんとかついていこうと家からずっと早歩きをしていた。
「アヤカもアヤカで、よく疲れないな。昨日みたいにシズクに抱っこしてもらえば?」
「・・・だい・・・じょぶ。このくらい、余裕」
そう言ってアヤカはイッセーに向けてピースサインをする。
「そうか?で、俺の彼女の話!天野夕麻《あまのゆうま》ちゃんって言って、黒い髪の超絶可愛い女の子なんだぜ!しかも、日曜日に早速デート!」
「? イッセー、デート・・・って、なに・・・?」
アヤカ、核兵器投下。
「え、アヤカ知らないのか?・・・ま、まさかシズクも・・・?」
イッセーはそう言って僕の方を向く。
「いや、僕は知ってるよ。アヤカは・・・ちょっと特殊なだけ」
「? そうか。アヤカ、デートってのはな?お互い好き同士の異性が、二人っきりでどこかに出かけて、仲良くなることを言うんだぞ」
「・・・わたしとシズク・・・も、好き同士・・・?」
またも核兵器投下。
「え!?いや、まあ確かに好きではあるけど・・・っていうかアヤカ、好きの意味がちょっと違う!だからイッセー、そのジト目をやめてくれ!」
「でも、いつも二人・・・で、お出かけしてる・・・よ?ほら、今も・・・」
「ッ・・・違うよ、アヤカ。これはデートじゃない。あの腐れ外道共が仕組んだ、大切な試験」
「いやシズク、よくわからんが、腐れ外道はないだろ。さ、それよりも早く学校に行こうぜ。急がないと遅刻だ」
僕はイッセーの言葉で周りに人が少なくなってきていることに気がつき、さっきよりも急ぎ目で通学路を歩いていた。
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