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第二十二話 嫉妬、機械王
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それはりんかの大きな魅力の一つであった。
だからいつも近くに居ることの多い和也は、りんかが何らかの強い負の感情を抱いていることを感じ取っていた。
「りんか。どうかしたのか?」
だから、和也はりんかに問いかけた。
誠也の応援に行かなければならないのは事実だが、誠也が本気で戦うのなら自分よりも強いことは分かっているし、アリスもすでに応援に向かっている。
その事実から、和也は少しだけ誠也を後回しにし、目の前で辛そうな表情をしているりんかに気を配ることにした。
「………。」
りんかは自分を見てくる和也と目線を合わせることができなかった。
自分の中に渦巻いているのは嫉妬と嫌悪。
どうしてエリちゃんだけなのか。
私は除け者なのか。
そんな嫉妬が心の中を渦巻き、そして理性が現状と自分の感情を照らし合わせて嫌悪を吐き出す。
それがりんかの今の状態だった。
「………。」
だから何も言えなかった。
私は大丈夫だから。
そう言うには嫉妬の感情が強すぎて。
私のことはどうなの。
そう問うには嫌悪の感情が強すぎて。
りんかは口を開けなかった。
「りんか……?」
和也が心配そうに顔を覗き込む。
唇を噛みしめて悔しそうに俯くりんか。
正直和也にとって、りんかがこんな状態になっているのを見るのは、幼馴染として長い付き合いのはずなのに、初めてだった。
「りんか……、大丈夫?」
エリが心配そうに肩に手を置く。
しかしバッ!と手を置いたそばから手を払われる。
エリの顔に驚きの表情が浮かぶ。
小さなころから親友だと思っていたりんかからこのような反応を受けるのは、エリにとって初めてだったからだ。
一方、手を払ったりんかも、払った直後にしまったと言う表情をしていた。
りんかはさらに自己嫌悪する。
心配してくれた親友の手すら払ってしまったのだから。
「………。」
「りんか………。」
手を振り払われても、親友の声には心配という感情が溢れていた。
嫉妬。そんなものだとは無縁だとりんかはずっと思っていた。
和也の事を好きなのは自分とエリだけ。
いや、他にもたくさんいるにはいる。和也は顔もよく、体つきも良いのでとてももてるのだから。
ただ、和也はどんな可愛い子に、綺麗な子に告白されても断っていた。
だから、多くの子が脈なしと和也を諦めていたのだ。
諦めていないのはエリとりんかの二人だけだった。
だから、りんかはずっとエリだったら大丈夫。この親友だったら、和也と結ばれても嫉妬なんかしない。ちゃんと祝福できる。そう信じていたのだ。
ただ、現実は違った。
目の前で重なった唇。
それはりんかに痛烈な嫉妬の感情を植え付けた。
私のことは?エリちゃんだけなの?
そんな感情が心の奥底から這い上がってきていた。
改めて振り返れば吐き気
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