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第二十二話 嫉妬、機械王
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一方その頃、全力全開で逃走している和也達と言えば、
「ハァ!!」
迫りくる追手の中の一体をアリスが切り伏せていた。
「アリスちゃん。大丈夫?」
「はい。ただ、数が多すぎて対処しきれません。」
アリスが時折切り伏せているおかげで、追手の数は20を割り込んでいた。
ただ、それでも20近い数の追手がいるために迂闊な行動を取れなかった。
とはいえ、このまま逃げ続けるわけにもいかない。
誠也の応援に向かわなければならないからだ。
「バルディッシュ!」
『Yes, sir. Lancer set.』
「ファイア!」
アリスは走りながらもバルディッシュに呼びかけ、スフィアを生成。
そこから雷を帯びた魔力弾を追手めがけて打ち出していく。
追手の大半はこれに直撃する。
相手が機械であるために、雷を帯びた魔力弾が直撃したロボットはその場で崩れ落ちていく。
勿論直撃を免れたロボットたちも存在する。
それらはアリスを脅威と認識したのか、アリスに殺到する。
しかしすでにそいつらはアリスの敵ではない。
ものの数体しかいないのなら一体ずつ仕留めていけばいいからだ。
「ハァ!!」
アリスが自分に最も近いロボットを一撃で切り捨てる。
さらに背後から飛び掛かってきた敵は、一歩右にずれることで回避。
アリスはがら空きの背後から一刀を振り下ろす。
そして倒れた相手は無視して、和也達の方へ目を向けると、自分に向かってきていると思っていた相手は和也達を追いかけていた。
アリスはすぐさま一つの魔法を発動させる。
『Thunder move.』
バルディッシュの声が響くのと同時に、アリスの体が魔力光と同じ色に変化した。
直後、一瞬の閃光が煌めき、和也達を追っていた相手はそこに倒れ伏していた。
「い、いまのは……?」
「……。」
アリスの魔法を使う瞬間を見て呆然としてエリとりんか。
先ほどの魔法は目で追うことができていた分だけ驚かずにすんだが、今度の魔法は閃光が瞬いたその瞬間には全てが終わっていため、何が起こったのかなにも理解できなかったのである。
しかしアリスはそれに答えている時間も惜しいと思ったのか、りんか達の驚きには答えようともせずに、また駆け出す体勢を整える。
「和也さん!先に行ってます!」
アリスは和也の返事もまたずに駆け出す。
「エリとりんかは先にりんかの家に戻っていてくれ。俺も行ってくる。」
和也エリを下ろし、自らもアリスを追うように走り出そうとするが、その袖を掴まれる。
「あ………。」
つい思わずといった表情でりんかが袖を離す。
その表情には自分への嫌悪の表情が見てとれた。
りんかは普段、そんな表情をすることはない。
日頃は笑顔を浮かべていることが多く、その表情が負の感情に満ちることなど滅多にない。
そして
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