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魔法少女リリカルなのは~箱舟の獣~
第一話 脅迫
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ょう。では和食をお願いします。気分的には、揚げ物でしょうか。以前食べた、テンプラというものが食べたいです」

などなど、女性人が意外にも食にがめつく、しかも肉や揚げ物など高カロリー重視の何のその。
幸いにもザフィーラが、あまりそういった事に口を挟まないのが助け舟。もし彼までもが「肉がいい」とか言い出したらどうなるだろうか。口数の少ない者のお願いが通らないわけが無い。あぁ、無常なり。
そして主のはやてが、まぁなんとも料理達者であること。なにか食べたいと言えば、大抵のものはすぐに覚えて作ってしまう。しかも決して不味くなることは無く、どちらかと言えば美味しいの方に針が傾いていく。美味しいものを、カロリーのために『もう結構です』なんていえるシャマルではない。
というより、気がついたら『ご馳走様でした』と言っているのが近況であり、現実である。いくら守護騎士プログラムとは言え、実際食べれば体重は増える。戦いを離れれば勘は鈍る。
そういったところで人間としての性質は必要ないのに、シャマルは涙ながらに自分の甘さを痛感した。

「ほな付け合せも、ちょっと控えめしとこか。ヴィータとシグナム用にちょっとお肉買って、シャマルとわたしはお野菜にしよか。シャマルのお願いも聞いたらなあかんし、これでお相子や」

「………はっ、はやてちゃぁああん………(涙)」

「はっはっはぁ。わたしにかかれば、どんなお料理も一発調理! 美味しいお昼ご飯作るでー」

と。二人の進行方向に、なにやら不思議な置物が存在している。
置物と言うか、人だ。全身真っ黒、コートからブーツから衣服の全てが黒一色。そしてその高身長。180を裕に超えているその男は、目の前にあるパック詰めされた惣菜の棚を凝視していた。寿司、弁当、おかず、フライ、サラダ、さまざまな惣菜を見ながら、腕を組んで顎に人差し指と親指を添えながら度々唸りを上げる。

「なるほど、コレは面白いな……店内で調理した食品を、この容器に詰めて大量に売りに出す。衛生面も十分な管理が行き届いているし、なによりこれだけの数があれば客の目を引くには十分だ。俺の食文化が狭いせいもあるが、正直目が離せない。
インスタントという簡易調理食品もすばらしい。機械で水分子を蒸発させ過熱する、熱湯でふやかす事でその場で食事が用意できるとは……いやなるほど、食文化の発展には目を見張るものがあるな。アークよ、お前は情報統計が甘いな、主たる俺が食に目が無いことを分かった上で隠していただろう。まったく持って許しがたい……だがいい。お陰で驚きが一層倍増しだ。それにこのスーパーは楽しい。見ていて飽きないぞ、この世界は全く以って素晴らしい」

…………楽しいて言っといて、なんで無表情なんやろ?
男の表情の変化の無さに、はやては不思議な感覚を抱いていた。

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