第一話 脅迫
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クの楔』は、一定範囲内にステルス性を持った強力なフィールドを超音波の様に放出し、範囲内の生物の行動内容を観測し、データとして蓄積する機能を持つ。また、電子機器やメディアから発せられる音声や文面と言った情報媒体からも情報を収集し、それらを統計する。
その役目を担うのが、彼の身体に埋め込まれた四十四機のコントロールデバイス『アーク』の役目である。
額、口腔、後頭部、喉、計四機。
鎖骨中央、胸骨中央、左胸、右胸、鳩尾、腹部、下腹部、計七機。
胸椎上、胸椎下、腰椎、左肩甲骨、右肩甲骨、左後背筋、右後背筋、左脇腹、右脇腹、計九機。
仙椎、左腰、右腰、計三機。
左肩、上腕、肘、前腕部、手甲、計五機。
右肩、上腕、肘、前腕部、手甲、計五機。
左大腿前、左大腿後、膝、左脛骨、足甲、計五機。
右大腿前、右大腿後、膝、右脛骨、足甲、計五機。
そして、心臓。これら四十四機が、彼の素体を維持するために『必要不可欠』な存在。
彼の永遠の同伴者であり、彼の分身。そんな彼らは、収集した情報で最も有力な情報を提示する。
『市街地にて、数度の魔力反応を検知。魔力性質解析結果、昨晩のベルカ式の魔導師と同一の反応です』
『追加情報。魔導師の周辺に、極小の魔力反応を検知。解析……、……、完了。“闇の書”と思われます』
『魔力反応の小ささから、現在は常時待機状態のようです。“闇の書”の主の魔力反応も検知しましたが、“闇の書”同様に微弱な反応です。転移しますか?』
「…………いや、いい。それよりも」
× ×
同日、午前十一時。都内のスーパーにて。
「シャマル、なんか食べたいもんとかあるか?」
「食べたいもの、ですか………でも、なんだか最近美味しいものばかり食べて、その、お肉が…………」
「あははっ、ちゃんと食べてちゃんと運動したらお肉なんてつかへんよ。せやなぁ………それやったら、今日のお昼はにゅうめんにしよか。ヘルシーやし、消化にもええから今のシャマルにぴったりや」
「は、はやてちゃん……酷すぎますぅ………」
はやてとシャマルは、こういった談話が多い。主に、身体ネタで。
活発なヴィータや歩闘派のシグナムは身体をよく動かすが、どちらかと言えばインテリ系のシャマルにはそういった機会はあまり無い。しかし実質的にシャマルの性質は、後ろであれこれするのが本職だから仕方ない。
メニューにしたって、シャマルがヘルシー嗜好に持って行こうにも、
「はやて、今日はハンバーグがいい! 他は、えと、んと………焼き肉!」
「食べたいもの、ですか? 私はそれほど食にこだわりは……いえ、そうですね、主の折角のご好意です、甘えさせて頂きまし
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