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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第57話 ハルケギニアの夏休み・宴の夜
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んど、何もしていない教会に……。

 おっと、今はそんな事を追及すべき時では有りませんか。無理矢理、軌道修正っと。

「確かに、貴様の言う事にも一理は有る」

 俺の思考が、何処か他所の世界に行き掛かっていた事などに気付く事もなく、意外に物分りの良い態度で俺の意見を受け入れた青年士官。しかし、更に続けて、

「しかし、だからと言って、先ほどの歌のような軟弱な歌を認める訳には行かない」

 ……と言った。
 前言撤回。頭が固い部分はまるで変わっていない。こいつ、魔術や魔法の基本がまるで理解出来て居ない。

「王国軍の士官の方々ならば、現在は来たるべきアルビオンとの戦に向けて日夜、厳しい訓練に励んで居られるとお見受け致しますが、どうでしょうか?」

 心の中でのみ肩をすくめて、呆れた表情を浮かべた俺が、それでも礼儀を弁えた態度を崩す事もなく、少しこれまでの会話の内容からは遠い内容の問いを行った。
 そう。それならば仕方が有りません。確かに、少々余計な時間は掛かりますが、それでも判っていないのならば、最初から説明するしかないですからね。
 それにしても、こんな事も知らないのか、それとも、単に俺達にインネンを吹っかけたいだけなのか、は判らないのですが。

 其処まで考えてから、俺は、タバサ、キュルケ、ルイズの三人の姿を順番に頭に思い浮かべ、そして、その結果、非常にシンプルな結論に達したのですが……。
 まさか、と思うのは簡単ですが、可能性のひとつぐらいには考えて置いても良いですかね。

「その通り。日々苦しい訓練に身を置き、国の為に戦う準備を行っている」

 そんな自分たちと比べて、学生の身分でこんな店に出入りして、更に美少女を侍らせている貴様が気に入らない、と言わんばかりの口調、及び雰囲気でそう言って来るトリステイン王国軍士官。
 但し、俺が喜んでこんな立場に居ると思ったら大きな間違いなのですが。俺としては、蒼い少女(タバサ)一人居てくれたら十分で、他の紅とピンクはオマケ。最後の金髪碧眼巨乳のおねいさんは、俺の式神(人外)ですから。

「ならば戦を前にして何故、厳しい訓練を繰り返すか判りますか?」

 その士官の答えを聞いた後、ほぼ意味不明の問い掛けを行う俺。いや、問いの意味は判るでしょうけど、このタイミングで何故、この質問が出て来るかが判るかどうかが微妙だと言う事です。

「戦の際に一矢乱れぬ動きを行う為。命令通りに動けるように身体に覚え込ませる為」

 そんな俺の質問の意図にまったく気付いていないのか、至極真っ当な答えを返して来る青年士官。
 しかし、

「その程度の事ならば、殊更厳しい訓練を課す必要は有りませんよ。貴男方は優秀な貴族出身の士官。平民とは頭の出来も人間としての格も違い過
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