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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第57話 ハルケギニアの夏休み・宴の夜
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って、最初に討ち死にするタイプの人間の台詞を口にするトリステイン王国軍の青年士官。
 但し、俺の少ない経験から導き出される答えでは、こう言う勇ましい言葉を口にする人間ほど、実際は人の後ろに隠れている物なのですが。

「いえ。私は生き残る事だと思いますね」

 しかし、先ほど、王国軍士官が口にした台詞と正反対。かなりチキンな意見を口にする俺。
 そう。そもそも、俺は戦場になど出たくはないのですが、無理にでも連れ出されるのならば、俺の目的はこれに成るのは確実です。

「貴様、その様な軟弱な意志だから、先ほどのような歌を歌う事が出来るのだ!」

 益々怒り出す王国軍の士官。確かに、先ほどタバサが歌った内容は反戦フォークそのもの。そして、反戦フォークと言う曲を歌う人間は軟弱者の典型のような物ですか。
 戦時色が強く成っているトリステインでは嫌われる物でしょう。

 そう思いながら、少し。半歩分、左斜め前に自然な形で身体を進めるようにして、青年士官たちの前に移動する俺。
 そう。その高圧的な台詞が青年士官たちから発せられた瞬間、今は俺の左肩の後ろに居るピンクのバニーちゃん姿のルイズから、少し物騒な気が発生し掛かったのです。具体的には、右手の魔法使いの杖を握る手に魔力(ちから)が籠められ、左手は、胸の前の銀の十字架に指を当てる。
 これはいい加減にしないと、本当に爆発しかねない雰囲気を発していますから、彼女。それに彼女の場合は、本当に伝説の爆発魔法の使い手ですから、この三人の青年士官など瞬殺される可能性も有ります。

 そう成ったら、この店に掛ける迷惑も半端な物じゃなくなるでしょうが。
 尚、自然な形で、俺の左肩の後ろに回されたルイズは、それまで我が愛すべき戦友のタバサと同じように、我関せずの態度でワインを飲んでいた金髪碧眼の女性に因って、テーブルに着かされ仕舞いましたが。

 良し。これで、ルイズが余計なもめ事を起こす可能性も低く成ったな。そうしたら、

「生き残らなければ、それ以上、戦場で敵を倒す機会を得る事は出来ないでしょう。その上、それ以後は戦場で活躍する事も出来なくなる」

 そもそも、国が必要だと考えて居るのは、その国に依存している連中だけ。このトリステインの税は貴族や神官には掛けられていない為に、国を運営する予算は、すべて国王の直轄地の平民より賄われているはずです。
 簡単な計算式で言うのなら、農奴は十の収穫の内、六、もしくは七までは税として取り立てられている計算のはずですから、国民に取っては、自らを支配する国など、アルビオンで有ろうが、トリステインで有ろうが関係はないはずですから。
 尚、その税の内、教会の取り分は一。全収穫の内、十分の一は無条件で教会に納める仕組みと成っていると言う事ですか。
 殆
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