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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第57話 ハルケギニアの夏休み・宴の夜
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関してはあまり好きなタイプの相手では有りませんので、少し挑発……とまでは言いませんが、それでも揶揄するようなニュアンスも感じる事の出来る口調でそう告げて仕舞ったのですが。
 そう。どうやら俺は、おエライ方々が贅沢は敵だ、と言っている隣で贅沢は素敵だ、と言うタイプの人間のようで、そう言う相手。……近視眼的で、競馬馬並みの視界しか持たない人間とは度々意見が対立した覚えが有るのですよね。

 もっとも、この性格を直す心算はまったく有りませんが。

「貴様、我らを愚弄する心算か!」

 何故か、簡単に激高するトリステイン王国軍の士官。いや、確かにそう言う口調で話はしましたが、それでもそんなにあっさり挑発されてどうするのです。冷静で無ければ軍の士官など出来ないと思うのですが。

 その瞬間に、ルイズの頬がぴくりと動く。その際に、明らかに爆発寸前のイメージが俺に伝わって来た。しかし、この程度の事で表情が動くような性格で、彼女、よくこんなサービス業に従事する気に成りましたね。
 この手の客商売の場合、こんな低レベルの客などいくらでも居るでしょうに。

 もっとも、ルイズは、本来ならば公爵家の姫君ですから、御小遣いが欲しいからアルバイトに精を出す、……と言う訳でもないでしょう。そう冷静に考えてみるのならば、この魔法学院が夏休みの間に、こんなトコロで働いている理由は、また伝説の魔法の系統絡みの話でお水の御仕事をやる事に成った可能性が高いんじゃないのでしょうか。
 少なくとも、彼女に向いているアルバイトでない事だけは確かだと思いますから。

「いえ、そのような心算は有りませんよ」

 そんな爆発寸前のルイズと、明らかにインネンを吹っ掛けて来た側のトリステイン王軍士官との間に立って、それまでと変わらないごく穏やかな雰囲気及び口調で、そう答える俺。
 それに、一応、この店に迷惑が掛かる可能性が有るので挑発をする意図は有りませんでしたから。まして、タバサが歌う事が決まった段階で、このようなツッコミが入る可能性は有る程度、想定して居ましたからね。
 先ほどの曲は、どう考えても反戦歌の色合いが濃い内容ですから。

 それでも、

「士官殿は、軍人の本分は何処に有ると思いますか」

 未だ、気の弱い人間ならば逃げ出して仕舞いそうな瞳で俺を睨み付けている王国軍士官に対して、そう問い掛ける俺。
 もっとも、いくら睨み付けて来て居るとは言っても、所詮は精霊を支配出来ない系統魔法使い。まして人間レベルの剣技。更に、固定化でサーベルを強化して有ったとしても、木克土で無力化するのは容易い。この程度の相手なら、千人単位を相手にしたとしても俺は負ける気はしないのですが。

「それは当然、戦場で敵を倒し活躍する事」

 予想通り真っ先に突っ込んで行
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