第5章 契約
第57話 ハルケギニアの夏休み・宴の夜
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ょう。
もっとも、ルイズの魔法の系統や、才人が伝説の使い魔だ、などと言う部分にまで、彼女の想像が辿り着いているか、どうかに付いては判らないのですが。
「その内に。すべてに決着がついたら、この時期に何をしていたのか、話して貰える時も来るんやろう?」
すべてが終了するのが何時に成るか判らないけど、それでも、何時までもこの状況が続く訳は有りません。そして、その時に全員が生き残っていたら、笑い有って話をする事が出来るでしょう。
今、自分たちが巻き込まれている厄介事に関して。
「せやから、その時まで、絶対に死ぬなよ」
俺がそう告げた瞬間、タバサがそれまで目で追っていた活字から視線を上げ、そして、和漢の書物を閉じた。
成るほど。それならば、
俺が立ち上がり、キュルケを抱き上げようとするのを、タバサが目で制する。そして、彼女のトレードマークと化している自らの身長よりも大きな魔法使いの杖をキュルケに翳した瞬間、
重さのない存在の如く、宙に浮き上がるキュルケ。
尚、これは元々、彼女の使っていたハルケギニアの魔法などではなく、精霊を友と為して行使している魔法。故に、俺の目には、キュルケを持ち上げている小さな風の精霊たちの姿が映り、自らに仕事を与えて貰える喜びの歌が耳に届いています。
「もう、帰っちまうのか?」
少し名残惜しげにそう聞いて来る才人。確かに、しばらくぶりに出会ったのは事実ですが、それでも、
「俺には、帰ってから、今、コルベール先生のトコロで預かっている女の子に食事を作ってやる約束が有るからな。ここで泊って行く訳には行かないんや」
そう、事情の説明を行う俺。
流石に魃姫には、特殊な調理方で用意した神饌しか口にして貰えないみたいですから。それに、さっさと彼女に帰って貰わない事には、世界に与える悪影響が大きく成り過ぎ、想定以上の歪みが世界に与えられた場合…。ましてこの事態がもし、俺達が水の邪神共工を滅ぼした影響に因る反動のような物の場合は、俺とタバサに因って魃姫を元々居た世界に帰す必要が有りますから。
もう、少し遅い……。今年の凶作は既に決定事項の可能性も少なくはないのですが。
「そうしたら、機会が有ったら、また寄らせて貰うな」
俺が、別れの挨拶を才人に対して行う。
「おう。気を付けて帰れよ」
そう言って、片手を上げて挨拶を返して来る才人。
但し、矢張り、才人は最後まで、ここ。魅惑の妖精亭で、何時まで働いているのかを教えてくれる事は有りませんでしたが……。
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