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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第57話 ハルケギニアの夏休み・宴の夜
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ら。

 その俺の答えを聞いて、非常に不機嫌そうな瞳で睨め付けるルイズ。そして、

「そんな事、やってみなくちゃ判らないじゃないのよ。何事も、やる気さえ有ればなんとか成るんでしょう?」

 かなり、無茶な台詞を口にする。但し、先ほどの会話の意味は、生か死のぎりぎりの場面で差が出ると言うだけの事で有って、俺が即興で伴奏が出来るなどと言う限りなく不可能に近い事を為せる、などと言う事ではないのですが。

 そんな、ルイズの無茶な要求に対して、どう切り返そうかと考え始めたその刹那。傍ら……。何時の間にか俺の傍に立っていたキュルケから何を思ったのか、先ほど、タバサが歌った時に伴奏に使用していたアコースティック・ギターが渡された。

 何の気なしにそのギターを受け取って仕舞う俺。尚、後から考えて見ると、この瞬間に勝負は決しているとは思います。
 そして、

「珍しいわね、ルイズ。あたしもその意見には賛同させて貰うわ」

 酷く、人の悪い笑みを浮かべるキュルケ。そして、この瞬間に、俺は、完全に詰んで居る事に気付かされたのでした。


☆★☆★☆


 そして、深夜。
 最早、カラオケ機械と成り果てた俺が、短いフレーズなどから類推出来るヨーロッパの民謡の曲名をダンダリオンに教えて貰い、その曲名からハルファスに調達して貰った地球世界の似た曲の楽譜を使用して弾きまくった曲数は二十曲以上。最後の方は、カラオケ・パブと言うと言うよりも、妙な歌声喫茶と言う雰囲気の空間となり、キュルケやルイズ以外にも、魅惑の妖精亭の客や従業員たちも歌っている、と言う空間と成って居ましたが。

 矢張り、故郷の曲と言うのは、郷愁を誘うと言う事ですか。
 それに……。
 それに、人はパンのみにて生きて行くに非ず、だと言う事なのでしょう。



 俺の右横には、何時も通り、ただ黙々と和漢の書物を読み耽る蒼き吸血姫。
 左隣には、大量の飲酒と歌い続ける事に因って疲れた果てたピンク色のバニーちゃんと、紅い少女が仲良く肩を寄せ合って安らかな寝息を立てる。

「本当に、後始末をさせられる俺の身にもなって欲しいよ」

 そして、モップを片手に、閉店後の店内の清掃を続ける伝説の使い魔。平賀才人がぶつくさと文句を言いながら、しかし、慣れた手際で床を、そして、テーブルを磨き上げて行く。
 但し、口調や言葉の内容ほど不機嫌と言う訳ではない事は、彼が発して居る雰囲気が物語っているのですが。

 おそらく、才人自身が身体を動かす事は嫌いではないのでしょう。

「まぁ、そう言うなって。キュルケにしても、ルイズにしても、少しうっぷんが溜まっていたんだろうからな」

 一応、そうやってフォローを入れて置く俺。
 そう。ルイズがこんな店で、似合わない格
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