第5章 契約
第57話 ハルケギニアの夏休み・宴の夜
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で待っていた物語は、ヘビたちの父イグとの戦いがメインでしたし、更にその後の街の浄化にも、再びメチャクチャ時間を費やして仕舞いましたね。
人間の持って居る恨みなどの強い負の感情は、そう簡単に散じさせられる訳では有りませんから。
実際、あの坑道に沿って地上に植えた街路樹などが、徐々に地中深くにしみ込んだ恨みを天に返してくれるのを待つ事が、一番確実に恨みの感情を失くす方法ですから。
「それで、その後に戻って来たら、学院は夏休みに入っていて、それならば家に遊びに来ないかとモンモランシーが誘ってくれたから、避暑がてらラグドリアン湖々畔のモンモランシー邸に一週間程度お邪魔していたのかな」
そこで、夢の世界で怪奇植物トリフィドモドキと死闘を演じさせられたのは記憶に新しい事ですか。
もっとも、湖の乙女と、彼女の友人で、俺と縁を結んだ事の有る人物との邂逅も、同じ夢の世界で行われましたけど。
「それで次は、タバサの実家と関係の有った貴族が代変わりした御披露目のパーティに出席して」
そこで、ガリアのイザベラ姫と妖精女王ティターニアの二人とお知り合いになり、ヴェルサルティル宮殿の地下に有る大空洞で太歳星君と戦い、タバサが吸血姫へと覚醒した。
尚、それと同時にソルジーヴィオと名乗る自称商人にも出会ったのですが……。
あの地下に広がる大空洞……聖地の浄化にも、結構、手間が掛かりましたか。
「最後は、ラグドリアン湖の湖畔で、俺の世界の伝統行事。七夕のお祭りイベントをクリアーしてから学院に戻って来た」
ラグドリアン湖異常増水事件。そこで、湖の乙女。崇拝される者。モンモランシーと力を合わせて、水の邪神共工を討ち倒して、この世界がミーミルの水に因って水没する危機を脱したのですか。
俺の話を聞き終えたルイズとキュルケの間に、微妙な沈黙が流れる。いや、微妙と言う因りは、明らかに呆れ果てて居ると言う雰囲気ですか。
そして、
「アンタたち、遊んでばっかりよね」
ルイズが、やや抑揚に欠けた口調でそう呟く。確かに、先ほどの俺の説明では遊んでばかりのような内容に聞こえますが、実際は、戦ってばかりでしたね。
「人聞きの悪い言い方やな。これは立派な社会勉強と言う勉強だと思うのですけどね。それに最近、タバサは歌を歌うようにも成ったんですよ。これでタバサは、本ばかり読んでいる不思議ちゃんからは卒業と言う事ですからね」
まさか本当の事を言う訳にも行かないので、そう軽口めいた台詞で最後を締めくくる俺。但し、それは鎮魂の術を覚える為の前段階。彼女が趣味で歌を歌うようになった訳では有りません。
俺の語った内容に対して、少し疑わしげな視線で俺を見つめる事によって答えと為したキュルケと
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