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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-43 all one's strength
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。
額に汗が伝う。
一夏は麗矢との力の差を実感していた。
数手先まで読まれているようにまで思えるあの試合展開。
そこまで麗矢の思考判断力と空間把握力が高い事がうかがえる。
だが、一夏には諦めるという選択肢はない。
ただ、目の前の強大な敵を打倒すことしか考えない。愚直に。
今持っている《雪片二型》と《雪羅》この二つの武器で麗矢を倒すしかない。
一瞬の気の緩みが命取りと見た一夏は集中を極限状態にまで引き上げる。
スポーツマン用語で所謂『ゾーン』に入った。
二人が向かい合っていた時間はどのくらい長かっただろうか。
そんなに長くはなかった。
十数秒ぐらいであろうか。
同時に瞬時加速を使い、真っ直ぐに向かっていく。
その速度は肉眼では視認できないほどの速さであった。
音速に近づくにつれ、空気抵抗が強くなる。
強力な力に思わず一夏は顔を歪めるが、構わずに麗矢へと進んでいく。
麗矢は顔色一つ変えることはない。
衝突。
それは爆音と共に衝撃を辺りにまき散らして、風が吹き荒れる。
いつの間に観戦していたのか。その人たちには衝撃は届くことはないが、風と音は届く。
轟音から守るために耳を塞ぎしゃがみ込んでいる生徒たちを見かねて、千冬は放送で退避する様に命ずる。
A−ピットか、B−ピットでモニター観戦する様にと。
観戦中の生徒が逃げているとき、麗矢と一夏は鬩《せめ》ぎ合っていた。
刃同士を打ち合わせ、火花を散らしながら二人は自らの武器に力を込める。
だが、一向に動こうとしない。拮抗しているのだ。
麗矢は二刀を上に弾きあげた。
一夏の武器は上に弾かれ、胴体ががら空きにある。
そこにすぐに引き戻した《スラッシャー》を叩きこむべく、突き出す。
一夏は攻撃から何とか逃れようとブースターを使い、上に逃げようとする。
麗矢が突き出した《スラッシャー》は足に掠る程度だった。
そのことに麗矢は内心毒づきながら、距離を取る。
自身のシールドエネルギーを確認する。
5分の2ぐらい減っている。まだ半分以上ある。
まだ、こっちが有利だ。だが、あの衝突を何度も繰り返すと流石に不味い。
まだ5分の2以上あると言ったが、裏を返すとあの衝突でそれだけ減ったということだ。
負けるわけにはいかない。
麗矢を見ながら一夏も自分のシールドエネルギーを確認していた。
もう半分を切っている。
やはり、最初のクリーンヒットが大きい。
その分だけ差が開いている。
しかし、そのぐらいでへこたれる一夏じゃない。
俺は強い、人の手を借りながら強くなってきたんだ。あいつを倒すために――――
と何度も念じるように心の中で思いながら、闘志を滾らせた。
少しの休止、そしてまた同じように
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