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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
5 「非日常な一日」
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共に育ったデュラクに比べればまだまだである。
 本能ではなく、“戦術”をもって狩りをする大型モンスターは、どの上位モンスターよりも強いと、青年は確信していた。
 そうこうするうちにそんな彼の相棒が到着したようだ。

ギエエエエエエエエエエ!!!!!

 まずは警告の咆哮。なんだかいつもよりも危機迫っているような声な気がする。青年が襲われているからだろうか。

(だとしたら、ちょっと以上に嬉しいな)

 そんな場違いなことを考えながら、背中に風圧を感じ前方にスライディング。

『のぉぉぉぉう!!』

 同時に籠の中身もぶちまけられた。しまった、存在を忘れていた。

『くっそ、デュラク! コテンパンにやっちまえ!』

ギエエアアアア!!!!

 これは果たして逆恨みか否か。幸い土の上ではなかったので、「洗えば平気」「三秒ルール」などとぼやきながら手早く魚を籠に入れ直す。その間リオレウスは突如やってきたテリトリーの主からの猛攻を防ぐことで手一杯だった。

『よし、んじゃ俺逃げるから。思う存分()れ!』

ギエエエエエエエ!!!!

 そのままひょいひょいふたたび崖を登り、茂みに姿を消した。そこから先彼の愛竜デュラクと上位レウスの戦いが如何にして終わったのかは分からないが、兎に角「当然」といった顔つき(なんと知恵が回るナルガクルガは表情筋まで動かせるようになるのだ)で無傷の帰還を果たしたデュラクが圧勝したのは間違いない。勝てば官軍。要するに勝てばいいのだ。それが例え騙しうちだったとしても、何ら問題はない。自然の中では生き残った者こそが勝者だ。
 そして昼を食べ終わって日課の鍛錬でもするかと庭(自作)に出たとき、地面からよく顔を見せるメラルーが出てきた。ルイーズではない。彼女はなんだかんだと青年と同居して、今も家の中の窓辺で昼寝をしているからだ。最近は麓のヨルデ村からオトモ装備を買ってきたりして(青年の金で)、もうほとんどオトモアイルー状態。
 と、話を戻そう。渓流の飛脚として名高い雄メラルー、ティモシーだった。

『ハナがいなくなったのニャ! 旦那にも探して欲しいニャ!』
『何をそんなに焦ってる?』
『今渓流ではリオレイアが暴れまわってるニャ! どうも(つがい)のリオレウスが殺されたみたいで、殺気立ってるのニャ!』

 ハナはルイーズの姪だ。よく青年の家にも遊びにきていた。とりあえず友人の身内が危険なことはわかった。呑気に寝ているルイーズを起こして事情を説明すると、真っ青になってすっ飛んでいった。デュラクには空から探すよう言って、自分も外に出る。武器はどうするか迷ったが、身軽でいたいので持っていかないことにした。何かあってもデュラクを呼べば大概の自体には対応できる。

『ハナ!』


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