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その答えを探すため(リリなの×デビサバ2)
第27話 夢魔が飛び、魔猫が舞う(4)
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どの太さの砲撃を放つなのはを見てリリーがうそ寒そうに呟いた。
 先ほどまでの少女といい、隣にいるなのはといい、どうしてこうも飛び抜けた才能の持ち主がいるのだろうかと、戦いが終わって緊張が解けたのもあり、呆れを通り越して感動すら覚えてしまいそうな心境だったからだ。

「だっ、大丈夫ですっ! ちゃんと“ひさっしょう設定”ってなってるの確かめたもん!」

 なのはが、リリーに物騒な事を言われた不安やら自分の役割を何とかこなせた安堵やら様々な感情がごっちゃ混ぜになった、泣き笑いにも似たような顔で必死に釈明を求めた。いくら非殺傷設定だからといっても、初めて自分から相手に魔法をぶつけるなんて事をしているのだから、今だけは心に不安が巣くってもしょうがない。

「非殺傷設定、ねぇ。ずいぶんとお優しい( ・ ・ ・ ・)魔法なのね、この世界の魔法っていうのは」

 リリーが、今度は明確な呆れを顔に浮かべて肩をすくめた。それから「ふぅ」と息を吐いて気持ちを切り替えると、もう一度なのはに顔を向け微笑む。

「なんにせよ、これでひと段落ついたはずよ。なのちゃん、結構無茶苦茶な事いったと思うけど、こうやってちゃんとやってくれてありがとうね」

「あ、あぅ…。わ、私なんて言われたとおりにしただけで。リリーさんがしっかりと整えてくれたからですよ」

「あらそう? じゃあ、そう言う事にしときましょうか。そろそろ、あの子をどうするかも考えないといけないでしょうし」

 リリーはそう言って段々と光の勢いが衰えつつあるレイジングハートを見やる。これからなのはの魔法によって気絶してるであろう少女を回収し、あの狼をどうにかして、それから彼女たちに山ほど尋問をしなければならない。

 それ自体は面倒この上ない事だが、狼をどうにかするという事は純吾と会えるという事なので心持ち頬を緩めたリリーは、ふとレイジングハートを持つ手の先にあるなのはの顔を見て、不審に眉をひそめる。彼女の顔が先ほどまでとは打って変わり、驚き、恐怖を抱いたかのような顔になっていたからだ。

「嘘でしょ……」

 その表情に慌てて振り返ったリリーが呆気にとられた様子で言う。
 彼女達の視線の先には、バリアに包まれてほぼ無傷の少女が浮かんでいたからだ。2対の視線を受けても、何の感情をその顔に浮かべることなく、少女が口を開く。

「魔力の量には驚いた。これほどまでの魔力量は、ミッドチルダでもそうはいない」

 全身を覆っていたバリアを解除して、杖をリリー達に向ける。金色の宝玉が付いた杖の先に電撃をおびた光球が生まれ、大きくなっていく。

「でも、それだけ。術の制御も其のデバイスに助けられて、ただ量が多いだけなら防ぐのは容易い」

 そう話す間にも光球は大きくなり、電撃はその周
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