第27話 夢魔が飛び、魔猫が舞う(4)
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こそ、今だってただ戦いを見てるだけじゃなくて、自分にできる精一杯をしにいかなくてはならない。そうなのはは気合いを入れなおし、腕の中にある愛機に声をかける。
「…レイジングハート」
『All right, master. Flier Fin』
打てば響くように自分の望む魔法を選択してくれたレイジングハートに微笑みながら頷くと、なのはは一気にリリーの元へ加速していった。
「リリーさんっ!」
少女と雷撃と光球の応報の最中のリリーの背中に、なのはの声が後ろから唐突に聞こえた。
その声にリリーは背を向けたまま吠えるように答える。対峙する少女の攻撃に、気を抜く余裕が少しもなかったからだ。
「どうしてでてきたのっ、今は危ないから下がってなさい!」
「だって、だって皆と約束したから、これから本当に一緒に頑張って行くんだって!」
「それはぁ、そうなんでしょうけどぉっ!!」
言葉とともに、虎の子の【マハジオ】を金髪の少女に向けて打ち込む。何本もの雷光が壁を作りだして光球を全て弾き飛ばす間になのはの手を掴んで少女から大きく距離をとるために森の中に突っ込む。
しばらく森の中を飛んで少女が見えなくなってから、リリーはなのはを大声で叱りつけた。
「今までのあの子の戦いぶり見てたでしょっ。あの子今のなのちゃんが束になったって敵わないの! 無茶してなのちゃん怪我したらどうするつもりなのっ!?」
「うぅっ。でも、じっとしてられなかったの。リリーさんが必死になってるのにまた見てるだけだなんて」
せっかく固めた覚悟をリリーの手でくじかれて、怖気づいたような声で答えるなのはに対して、「はぁ〜〜」と、リリーは長い溜息をもらした。
「…なのちゃんがちゃんと魔法を上手に使えるようになってからなら、あの子とやりあっても良かったんでしょうけどねぇ」
彼女の目的はとジュエルシードを回収する事と、自分たち以外にもそう言う事をする者たちを排除する事だ。今までは散々リリーが挑発をしていたから、何とか少女にとっての本命であろうなのはの事を視界から外される事ができたが、なのはが自ら飛び込んできてしまってはもう遅い。
そして、そんな2人が固まっている今を少女が逃すはずがない。
【マハジオ】による壁がなくなってからリリー達を探し回っていた少女はついに彼女たちを見つけ、牽制の光球を何個もリリー達に向けて放った。リリー達はそれに対して慌てて会話を打ち切り、その場から飛び避ける。
「くぅ…。やっぱりなのちゃんの事もしっかりマークされちゃったわね」
ちらりと後ろを向けば、繋いだ手の先にあるなのはの不安そうな顔が見えた。
リリーの手助けをしたい一心で、人と争った事などないのにこの場に来たのに
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