旧校舎のディアボロス編
プロローグその二・・・みたいな?
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住宅街を歩いて数分、僕とアヤカの二人は、一軒の家の前に立っていた。
「ねえ、アヤカ」
僕はアヤカの方を向きながら声を発する。
「? どうか、した・・・シズク・・・?」
そしてその声に反応して僕を見上げるアヤカに向かって、僕はこう言った。
「今回の僕たちはホームステイでもする気なの?」
と。
それにアヤカは一度目を瞑り、少しして目を開けてからこくんと小さく頷いた。
「兵藤家・・・三人家族、だって」
「・・・そっか。じゃあ早速入ろうか」
僕はこのまま家族の話を続けるのも、続けられるの嫌だったので、半場無理やり話を切ってドアの前まで歩き、ドアホンを押した。
『はーい、どなた?』
少しすると、ちょっと気の抜けた声が聞こえた。
「シズク・フォン・アライドリアンと、アヤカ・フレアドルですけど・・・」
『ああ、ホームステイの子ね?鍵は空いているから、入ってきてくれるかしら』
声の主はそう言って切ってしまったので、ドアを開けて家の中に入っていった。
玄関に入って靴を脱ぎ、リビングのドアを開けて部屋の中に入る。
「いらっしゃい。アヤカ・フレアドルさんと、シズク・フォン・アライドリアンくんね?来てるのなら連絡をしてくれればよかったのに」
そう言って僕たちを出迎えてくれたのは、この家の主の妻だった。
「すみません。着いた時間が遅かったので、連絡をするのはどうかと思いまして」
「ああ・・・うちのダメ息子と違って礼儀正しい・・・。
あと、私のことは気軽に「おかあさん」て言って頂戴。そっちのほうがフレンドレーでしょう?」
「ん・・・よろしく、おかーさん・・・」
「・・・よろしく、母さん?」
アヤカは何も気にせずに挨拶をするが、僕は母・・・親という言葉につい反応してしまい、少し語尾を疑問系にしてしまう。
「家の亭主と息子はもう寝てしまっているから、自己紹介は明日に回しましょうか。二人の部屋は二回の部屋を使ってね。
じゃあ私もそろそろ寝るわね。お休みなさい、二人とも」
そう言って彼女は微笑み、自室に戻っていった。
「さ、部屋を選ぼ「一緒」・・・」
僕が言い終わる前に、珍しく言葉につまらないで言い放つアヤカ。
そして二人の間に不思議な沈黙が流れる。
「いやアヤカ、僕たちはもう十七歳になる。つまり、この年の男女が同じ部屋だととても危険で・・・「一緒」・・・」
「いや、だか「一緒」」
「あの「一緒」」
「・・・「一緒」・・・はい、わかりました。一緒の部屋にさせてもらいます・・・」
そしてついにシズクが折れてしまい、二人は一番広い部屋に一緒に暮らすことになったのだった。
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