第8話
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いた。
「うん?九鬼家の武術の指南者じゃ。まあ、ヒューたん、てっちんと呼び会う仲じゃ」
「仲がよすぎるだろ。まあ、いいか。それよりお前、なかなか強そうじゃないか。私と手合わせしないか?」
指をポキポキ鳴らしながら、川神百代が訪ねる。
「俺では貴女の相手にはならないでしょう。大体、揚羽様と死合いの約束をされていますよね?ならば、その時まで自身を鍛えるべきではありませんか?」
「チッ!つまらないな。こんな美人からデートのお誘いなんだぞ?男なら、潔く受けろよな」
つまらなそうな顔をする川神百代。不動悠斗は、彼女の態度を特に気にする様子はない。
「はぁ。ゴホン。では、俺は失礼させていただきます」
「む?帰るのかの?」
「はい。本来俺はあくまで川神院に参拝しに来ただけなので。挨拶はついでなので申し訳ありません」
不動悠斗はそのまま、一礼して川神院を去って行くのだった。
川神院sideout
百代side
九鬼家の侍従を名乗った不動悠斗とか言う、優男が院から去って行った。 私が爺と口論していたら、尋常ない殺気が襲ってきた。久し振りに強者が戦いを挑んで来たと思ったら、ただ参拝に来た普通の客だった。
(爺に挨拶していく辺りが、武道家ならでわか。私より、強いと思ったんだけど気のせいだったか?)
考えてみれば、あの男が放った殺気は尋常ないと感じた。まあ、自分で私の相手にはならないと言った位だから、自分の力量をきちんと理解してるくちなのだろう。
「ふむ。なかなかの好青年じゃったの。しかし、実力がいまいち掴めぬ男じゃな」
「なんだ爺。耄碌したのか?」
「馬鹿モン!誰が耄碌じゃ!ワシはあの不動悠斗の力量が計り知れんと思っただけじゃ!」
「そうか?殺気は良かったが、実力なら私より遥かに下だろ?」
少なくとも揚羽さん程強そうには感じなかった。 爺は髭を撫でながら口を開く。
「いや、今の実力ならモモより下かも知れんが、あやつの潜在能力はお主より上かも知れん。まあ、ヒューたんの弟子になるくらいじゃからな」
「そうか。なら、数年後が楽しみだな。私の相手になるくらい強くなってくれよ」
ニヤリと私は笑う。数年後に会ったら私が楽しめる強者になっていろよ不動悠斗。
それから私は院から抜け出して、弟をからかいに行くのだった。
百代sideout
悠斗side
川神院を去ってから俺は多馬川の土手の芝生の上で寝転んでいる。上着のパーカーに付いてるポケットから、愛用している巻き煙草を取り出して口に加えてジッポーライターで火をつける。 ライターをポケットにしまって、煙草の煙を吐き出す。さっきから頭の中
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