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妖刀使いの滅殺者
第5話
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「ボス部屋の手前まで終わってるよ」

キリトがそっけなく答える
そもそも軍は最近になるまで滅多に攻略を行っていない。それが何故いまになってこんな最前線にいるのだろう?

「よろしい。ならばそのデータ私に渡してもらおうか」

「「「「はぁあ!?」」」」

まさかまさかの発言に俺達全員の声がはもる

「てめぇ!マッピングの大変さ位しってんだろ!」

あ、クライン復活…

「知っていろうとなかろうと、諸君らがマップデータを提供するのは当然の義務である!」

「ふざけんな…!」

俺が黒印に手を伸ばそうとした時、それをキリトが制した

「いいよ、街に戻ったら公開するつもりだったし」

「キリト君…」

右手を振ってウィンドウを開きマップデータをコーバッツに転送する

「協力、感謝する」

内心、絶対感謝してねぇだろ!と思いながらその光景を眺めていた
そこで俺はもしかして?と思って聞いてみた

「ボスに挑む気か?」

「それは私が判断する」

「やめとけ、そんな人数と装備じゃすぐ全滅だぜ」

コーバッツは聞く耳もたずで、疲れ切った様子で座りこんでいる部下を無理やり立たせ、安置から出て行った

「…まさか、挑まねぇよな」

クラインのつぶやきには誰も答えられなかったが、全員が頭に危険の二文字がうかんでいるだろう
いくら無礼な奴だからといっても見殺しは、こちらとしても気分が悪い

「仕方ない、見に行きましょう」

アスナの言葉には誰も反論しなかった
俺達は少し早歩きで、ボス部屋へと向かった。ここは走るべきなのだろうが、心のどこかでは、まさかボスに挑まないよな。と信じていたから誰も走りだせなかった

「ついたぜ」

ついに誰とも会わないままボス部屋に着いてしまった。つまり、あいつらは今、ボスと戦っている、もしくは転移結晶で離脱したかのどちらかということだ

「キリト、師匠。どう思う?」

「…こんなかだろ」

「だろうな、あんだけプライド高そうな奴らが逃げるとも思えん」

「開けるね」

アスナが今日二回目の扉を開けた
中ではすでに戦闘が始まっていた。しかも、さっきの人数より明らかに少ない
さらに、軍のメンバーは全員が戦意喪失していて、一人、又一人と≪TheGreameyes≫の斬馬刀の餌食となっていく

「ばかやろう!さっさと脱出しろ!」

クラインが隣で叫ぶ
その声が聞こえた軍の一人が死にそうな目でこちらに、受け入れがたい事を告げた

「結晶が、結晶が使えない!!」

「!?」

結晶無効化だと!?
最悪だ。フィールドならまだしも、ボス部屋で結晶が使えないとなると、脱出が不可能になって、ボスを倒す、もしくは全滅する
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