第二十話「貴様を炭火焼にしてやろう」
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男は俺たちの反応を見ると苦笑した。
「ひどいな、自分の駒の顔も忘れてしまうなんて」
自分の駒? でも俺たちにもライザーにもこんな人見たことないぞ?
「では、改めて自己紹介しようか」
男は踵を揃え背筋を伸ばすと、右手を左胸に当てた。
「俺の名は姫咲レイ。リアス・グレモリーが眷属『戦車』を任命されている。以後、よろしく」
――え?
「「「ええええええッッ!??」」」
俺と部長、アーシアの声が空を駆け抜けた。
† † †
「レ、レイなの?」
「ああ。まあ信じられないのも無理はないがな。色々と聞きたいことはあるだろうが、まずはコイツを倒してからにしよう」
それを聞いたライザーは鼻で笑う。
「俺を倒す? はっ、やれるものならやってみろ。ただの人間ではないようだが、フェニックスである俺を倒すなど――」
瞬動で即座に間合いを詰めた俺はライザーのこめかみに拳を叩きこんだ。
衝撃でライザーの上顎から上が吹き飛ぶ。が、次の瞬間には傷口から炎が吹き出し、欠損した部位を修復していく。なるほど、これが不死か。
「無駄だ、お前たちの攻撃は俺には通用しない」
勝ち誇ったその顔に再び拳を振るうが、先程と同じ結果となる。らちがあかんな……。
ならば――、
無防備に佇むライザーの腹部に前蹴りを放つ。
「だから無駄だと――ぐふぉっ!?」
それまで余裕の表情で構えていたライザーが初めて顔を歪めた。腹部を抑えて一歩、二歩と下がる。
「お、お前、何をした!」
「なに、ただ物理的ダメージを精神的なものに換えてやっただけだ」
いたって単純な考えだ。身体は不死だろうと精神はその限りではない。なら、先に精神の方を駄目にしてしまえばいい。
「さて、どこまで耐えられるかな?」
「くっ、舐めるな人間っ!」
腕に炎を纏ったライザーが拳を突き出す。俺はその拳に拳を叩き込んだ。
「がぁああああああッッ!」
五指が中程から折れ曲がり、メキッと骨が砕ける音が。ライザーの絶叫が響き渡った。
「脆い骨だな、カルシウムが足りてない証拠だ。投了するなら今の内だぞ?」
「この、人間風情が……」
「ほう、まだ戦意があるか。なかなか良い根性をしているじゃないか。見直したぞ」
ライザーの頭を掴み宙にぶら下げる。逃れようと暴れる手足を片手で捌き、のたうつ炎を掻き消しながら、掴んだ
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